ドライブの終わりに、一心行の大桜を見に寄った


「でっけー桜…」

「樹齢400年位じゃなかったかな…」

「枝、折れてる」

「何年か前の台風で、２本折れたって」

「だからあんな風に、支えついてんの？」

「そう、でも生きてる」

「超、咲いてるしね」

「きれいだね…」


ニーナを見上げて笑って、繋いだ手に力を込めた


「あ〜…、あんまそう素直だと、調子狂うって言うか、なんていうか…」

「な〜に〜？ドキドキしちゃった？」

「…するよ、だってオレ…アンタの事…」


コレはわたしは、きいちゃいけない


「よしっ、冷えて来たし家に戻ろう！」

「え！？ちょっと待って！」

「早くしないと置いてくよ！」


早足で車に戻り車を走らせる


これ以上は無理だ
ニーナを本気で好きになりかねない
そうなったら、中途半端な覚悟のまま、離せなくなったらヤバい

たくさん大切な事を、思い出させてもらった
だからもう、元の世界に帰してあげなきゃ
切り取られた３年間とはいえ、ゲームの中の時はあって流れるんだ…
だって、3rdって、1stから７年後の世界でしょ？
時間は流れてる

引き返せなくなる前に自分で終わらせる


わたしはもう…夢だけじゃ生きていけない
現実を考える大人になってしまった

そうだな…、ピーターパンで言ったら、大人はネバーランドには行けないのと一緒
わたしが越えてはいけない夢の世界

だから画面越しにだけ、ずっとニーナに恋してるよ
いいとこ取りで、甘い夢に酔わせて欲しい
これからは、ちゃんと現実もみるから…




To be continued…

5/5
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