ちょっと先まで、足をのばして南阿蘇


「どこ行くの〜？」

「白川水源に行ってみようか」

「それってなに？」

「涌き水だよ、阿蘇って水源たくさんあるの。熊本ってね、火の国って言われるけど、水の都っても言うんだよ」

「ふ〜ん」

「あ、興味なさそう」

「静かな所はヒマじゃん」

「そう？わたしは結構好きだな」

「でも、アンタが好きなトコにいて、楽しそうなアンタ見んのは好きかな」


こんな事を言ってくれるのに、つき合ってないとか、ほんとにときメモって不思議
だから…ずっと、ときめくのか…
まんまとハマっちゃうハズだわ

白川水源に着いて、木々に覆われた道を歩きながら、左手に流れる水のせせらぎを聞いてた

右手に露店で天然石が売ってあって、足を止めて店をのぞいた


「パワーストーンだって」

「カワイイね〜」

「買ったげる」

「え！？いいよ！」


残るモノはもらわないって、決めてるのに！
誕生日で合う天然石を選んでもらえるらしく、ニーナはわたしの誕生日の、カラフルな天然石のセットを買ってくれた


「はい、お守り」

「…ありがとう」


ニッコリ笑って渡された天然石は、思ってた以上に嬉しくて、泣きそうになった


「行こっ」

「うん」


美奈子みたいなスキンシップは、恥ずかしいし、照れ臭くて出来ないけど、こうやって当たり前に手を繋いで、優しくしてもらえるって、凄く幸せな事なんだな…

わたしはそれを億劫だって、何年も避けてきた
このニーナとの出会いは、とても必要で、とても救われたのかもしれない

ジワジワ溢れ出てくる水の底をみてると、心が晴れやかになってきた
あながちパワースポットって侮れないのかも

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