▽ 天守閣は資料館
上の階に上がると、中は本当にお城の面影もなく、完全な展示ルーム
壁には一面の名前が連なってる
「なぁ、さっきから気になってんだけど、壁とかの札とかのあの名前何ー?」
「ああ、アレね、熊本城って一口城主って言って、1万円以上寄付すると名前が載るの、ここの城主様達だね〜」
「その単位がわかんない、リッチで言うとどの位?」
リッチわかんないって!そもそも現実に存在してないじゃないの!はばたき市さ〜
「知らん、結構お高めって事かな…」
「知らんって…!まぁ、いっかこんだけあれば知ってる人とかいたりしねーの?」
「いるだろうね〜、何人か友達もしてるし、有名人とか結構いるみたいよ?検索で探してみればいいかもね」
並んだレプリカっぽい、シャチホコの隣の検索機をみて、ニーナがこっちに向き直る
「探す?」
「めんど…ふがっ」
面倒臭いって言おうとした口をニーナに塞がれる
「はーい、その言葉は言わないように」
「はい…」
ダメだな〜
この面倒臭がり屋な性格何とかなんないの?
つーか美奈子、ゴメン…
わたし向いてないのかもしれない
青いハート稼ぎは得意みたいだけど
「あ、ほらアンタ好きそうなやつあるよ」
「ホントだ〜!」
今度は熊本城の模型、中の部屋もちゃんと作ってあるとこもある
さっき見てきた、本丸御殿のミニチュアみたい
ちっちゃいお茶道具とか、行灯とか作っておいてみたい!
釘付けで見てると、隣でニーナがニッコリ笑う
「楽しい?」
「変だと思ってるんでしょ?」
「ううん、オレもアクセ作んの好きだし、モノ作る楽しさはわかるし」
「ホント?」
「ホント」
しばらくお城の模型を、色んな角度からみて、満足したとこでニーナをみたら目が合った
「満足しましたか?お姫様?」
「余は満足じゃ!」
「じゃ、帰っちゃう?」
「帰りません!」
「ですよね〜…」
展示コーナーを見て回ってると、次々に鎧や、昔の着物、展示品が並ぶ
ニーナはやっぱりそういうのは苦手みたい
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