。トリップ | ナノ


▽ 怖がるニーナがみたいだけ


歩いて行くニーナの後ろをついて行く
おや?何故売店なのですか?


「お城行こうよ」

「…まだいい」

「じゃあ、あっちの櫓行く?」

「櫓?アレも城じゃねーの?」


宇土櫓をチラリとみて、天守閣と見比べて覚悟を決めたのか、しぶしぶ売店を出て、櫓の方に向かう


宇土櫓って確か熊本城内で、1番古いんじゃなかったっけ?
重要文化財とかじゃないの?
天守閣は展示コーナーみたいになってるし、本丸御殿は大奥っぽい感じで、復元されたばっかだし、ここが1番城〜!って感じだったような…


靴を脱いで足を踏み入れると、古い床板がギシリと音を立てた
あ、やっぱり…
中暗いしお化けでも出そう
あれ?幽霊とかも苦手だったよね
失敗したって顔したニーナがソロソロと、後ろをついて来る
そりゃまぁ無言…


「あ、ほら来て!これさっき言ってた石落としだよ!外から何?って聞いたやつ」

「う…ん」


網が張ってあって、下がまる見えやっぱり高いな〜
こっから石落とされたたまんないな…
近づいてこようとしないニーナを引っ張る


「おいでって!」

「ちょっ!落ちるって!マジヤバイって!」

「落ちないよ」


必死で顔を背けて、下をみない姿がかわいくて、笑いそうになりながら、順路の階段を登ろうとしたら、ニーナが口を開いた


「階段狭い!手すり低いし!取れるって!絶対落ちるって!」

「取れないし、落ちないって!もう!怖いの?」

「怖くねーし!」


落ちるばっかりだな
確かに階段は急で手すりも低い
隠れ家みたいで、わたしはワクワクするんだけどなぁ

手すりに張り付いた状態で、嫌がるニーナを後ろからグイグイ押し、なんとか階段に手をつきながら、這うように昇らせる
一仕事終えてニーナをみるとグッタリしてた
え?マジでそんなヤバいの!?


「高いの苦手?」


知ってるけどね…
ちょっとかわいそうだったかな


「……うん」


うーん、ちょっと泣きそうな顔さえも、かわいく見えるわたしは重症だな


「手、繋いでてあげよっか?」

「うん…」


素直過ぎて倒れるかと思ったわ!
わたしの頭の上には、お花が咲いてるかもしんない
鼻血の噴水起こっちゃうよ?
しゃがんだままのニーナと手を繋いで、立ち上がらせた


「は、離さないでよ?」

「大丈夫だよ」

「信用出来ないしぃ…」

「今すぐ離しちゃうよ?」

「嘘です、ごめんなさい、信じてます」


こっちが離しませんけど

しっかり握られた手を引っ張って、ひどく軋む廊下を歩きながら、辺りを見回して、感想、同意を求めてもそれどころじゃないのか、抜けそうな畳をソロソロ警戒しながら歩いてる

高所恐怖症で、その状態なの?
それとも怖がりでその状態なの?

下向きっぱなしのニーナにクイッ、と手を引っ張られて、よろけてぶつかった


「な、何!?」


ビ、ビ、ビックリした!
止めてよー!変にドキドキするじゃん!


「畳抜けそうじゃね?」


本気で不安そうな顔で訴えかける
ヘタレか!


「そうそう抜けないよ…」

「だってさ、天井低いし、なんっか息苦しいし、ギシギシなるしー!心なしか傾いてる気がしねぇ?」

「え〜?そう?」


確かにちょっと傾いてる気がする様な?
んな訳ないか
あんまり気にしても仕方ないしなぁ


「もー、ヤダヤダ!暗いし、怖いし!」


えぇ?
急に本音爆発ですか!?
わたしあんまりこうゆうの、怖いとかわかんないんだよね〜
つまんない反応って言われるし
ギシッて音にビクッとするニーナにニヤついちゃうじゃん
あ、こんな風に怖がればいいのか〜


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