。トリップ | ナノ

▽ ニーナの服どうしよう?


誰かに想われたりするのって、久しぶりだなぁ
ん?本当に想われてんのかな?
2次元美奈子の代わりには違いないけど、今が楽しけりゃそれでいいや


「ところでさ」

「ん?」

「ドコに向かってんのか、超気になるんですけど?」

「着いてからのお楽しみだよ」

「…オレさ…、ここ着いてずっと気になってんだよね」


ずっと見えてるもんね
例のやつ
元々ここ城下町だもん


「何がー?」

「いや…、まぁ…、ちょっと」


スタスタと歩いてく後ろを歩くニーナの足取りは重そう
坂道を登り、着いた所はでっかいお城の前
まぁ、まだ全然外周りで全貌なんて見えないけど


「着きました〜!熊本城!」

「やっぱり…」


どよんと急激にニーナの周りに暗雲が立ち込める
すぐに慌てる様がみたいけど、上がったり、下がったりテンションの変わり具合がもっとみたい!


「あれー?ニーナお城嫌いなの?」

「…城が嫌いじゃなくて…」

「えー?何ー?ほら外堀回ろう」

「え?あーっ!それなら全然おっけ!」

「ちょっと運動がてらね?」

「もう、ここだけで全然おっけ!」


ホッとしてるがいいよ…
天守閣連れて行くかんね?
綺麗に整備されたお城の周りを歩きながら、ニーナがふと上を見上げて指を指した


「ねー、アレなに?」

「あー、何だろうね?お城入ってみる?」


多分ね…あそこから壁登ってくる武者とか、石落として撃退する穴だと思う…
良くは知らないけど


「別に何でも良くね?」

「自分が聞いたクセに」

「いいの、あんま深く考えねーの」


このまま歩いて行ったら、お城の入口にまんま着くんだよね
ニヤリとするとニーナがクルリと振り返る
慌ててニッコリ笑う


「…怪しい」

「怪しくないよ!」

「はぁ…、ま、いっけどさ、アンタ後ろじゃなくて横!横歩いてよ、さびしーじゃん」

「あ、う、うん」


歩幅ニーナが合わせてくれて隣を並んで歩く


「早くねぇ?」

「ちょうどいいよ」

「ん」


うっ!ニッコリ笑ってくれた笑顔が眩しい
女の子扱いしてくれるのも嬉しいな
自分のよこしまな考えが恥ずかしい…
けど、やめらんない


「美奈子ちゃん…あの階段なんだろ?」

「…わかんない…、なんだろ」


ちょうど建物の下には石造りの階段
覗いてみてもそこは行き止まり
今の時代じゃサッパリ意味がわからない
そしてお城なんか、こんな機会でもなきゃ来ないし


「意味なくね?」

「…昔はきっと意味あったんだよ」


二人で顔を見合わせてくだらない事で笑う
こういうのも久しぶり
何かを感じて笑うとか、興味を持つことさえ億劫で、少しずつわたしの中の何かが変わり始めていた



To be continued…


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