表*部屋 | ナノ

▽ クマった出来事


ベッドでうたた寝して起きたら、見慣れない風景…
見慣れないというかみたことはある
あんま見慣れねぇって事だ
遊びにきた事もある
つー事はこりゃまだ夢か?
リアルな夢だな…


ガチャと、部屋のドアが開いて、入ってきたのはもちろん美奈子
風呂上がりか!?
露出の多い服装に、タオルで髪を拭きながら、俺に抱き着いてきた
なっ、なんだよ!?


「コウイチくん、淋しかった?」


コウイチくん?
お前いつも俺の事『コウちゃん』とか呼ぶじゃねぇか!
つーか体が上手く動かねぇ…
声も出せねぇ…
どういうことだこりゃ?
混乱してると、美奈子が俺を持ち上げた

マジか…!?
お前…怪力か…!?


「コウイチくん髪の毛乾かすから、ちょっとここに座ってて!」


トンと勉強机のとこまで持ち上げられて、その椅子に座らされた
はぁ!?
何だこりゃ!?
一体どういうことだ!?

ドライヤーで髪を乾かしてる美奈子を見ながら、この状況が理解出来ない
俺は今どういう状況なんだよ?
フト姿見の鏡に目をやると、でっかいクマの人形…
ちょっと待て…
俺が今座ってんのは椅子だ…
写ってんのは椅子に座ったクマ…


俺クマなのか!?
ありえねぇだろ!!


「美奈子ー!ご飯よー!」

「はぁーい!」


おい!
美奈子お前呑気に飯食ってる場合じゃねぇ!


「コウイチくん、ちょっと待っててね」


待てるか!
待て待て待て!
ギュッと抱きしめられて、体を離され、いつもと違う構図は、近距離でバッチリ開いた胸元が見える
悪くねぇかもと少しだけ、よこしまな考えが過ぎる

ちゃんと座り直させられ、美奈子が扉を開け、階段を降りていく音が聞こえる

どうすっかな…
これ夢じゃねぇのか?
体動かねぇと、どうにもなんねぇし

神経集中させて、体をいつも動かすみてぇにしてみると少し動いた

これイケんじゃねぇか?

コツを掴むと割と簡単で、普通に動ける様になった
筋トレ欠かしてねぇからな!
鏡の前で全身を確認してみても、どこからどうみてもクマだ…
このクマの名前『コウイチ』ってアイツ…
ニヤリと悪いクマ笑いを浮かべて、シュシュ、と鏡の前でシャドーボクシング


締まらねぇ…
ガックリと崩れ落ち、チラリと鏡をみる
どうすんだよコレ…


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