▽ すこしづつ
3人で夕食を食べた後のWEST BEACHオレの肩には大きな瞳を閉じ、頭をもたせ掛け、音楽に聴き入る自分の女
目の前には、雑誌を読んでいるルカ
おい…一人だけリラックスできねぇ…
動けずガチガチに固まった左肩
少しだけモゾリと動いて、チラリとルカをみやると、ニヤニヤした目でコッチをみた
あーーー!!ダメだ!!
「何か飲みモンとってくる!!」
急に動かれ、パチクリした目になるが、いつものように柔らかく微笑みを浮かべる
「うん、早く帰ってきてね」
片方の口角だけ少しあげて〈分かった〉と合図し、ようやく解放された肩をグルグル回しながら、階段を降りる
キッチンまで来ると、二人の楽しそうな話し声が上からきこえてきた
「はぁ〜どうにも慣れねぇんだよな」
卒業ん時告白して、まさかのOKをもらい、ルカの勧めで一緒に住みはじめてから、少しでも免疫がついたと思ったスキンシップは、付き合いはじめて、余計意識するようになった
キスだってあれ以来してねぇし…
3人じゃなかったら、もうとっくに理性なんかぶっ飛んでんだろうな
なんてくだらないこと考えて、ミネラルウォーターを飲みながら部屋に戻ろうと見上げると、
カカン、カカン
と軽い金属音を響かせながら螺旋階段をルカが降りてきた
「シャワー浴びてくる」
タオルをヒラヒラとみせて、足早に通り過ぎる
「いちいち報告すんな」
眉間にシワを寄せて面倒臭さそうに答える
何故かピタリと足を止め、ルカが戻って寄ってきて、肩に手を乗せ耳打ちする
「20分位だけど頑張って!」
ニヤニヤしながら、離れながらポンッと肩を叩かれ親指をグッと出された
「はぁ?」
意味の解らないことをいうな
何を頑張ればいいんだよ
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