表*部屋 | ナノ

▽ お姫様と従者


よく駅前で男に絡まれてた気になる女は、その辺じゃ知らない奴はいない桜井兄弟のお姫様だった。


「せ〜んぱい!」


クルリと振り返るその姿は、やっぱ他の女とは段違いに可愛くて、虜になるのは当たり前。


「あ!ニーナ」


その可愛い唇から名前発せられると、ちょっと舞い上がってしまいそうになる。振り返り、小首を傾げてなぁに?のポーズ。
うおぉぉ!可愛い!!


「…あ、あのさ先輩今日…」

「コイツに何か用?」


言葉が終わる前に出ました従者1号…。トンッと階段をジャンプして颯爽と現れた。


「ルカ!もう!危ない事しないで!」


オレへの視線が桜井弟へ。プンプン怒って、従者1号を咎めてる。
その怒ってる顔も可愛いなぁなんて思ってる内に、先輩の腰に従者が手を回す。
オイなんだよその手は。てか、そのままでいいわけ?


「はいはいゴメン」


従者1号が適当に流してる。ハッと気付いたように先輩がオレをみて、急に話しを戻されてたじろいだ。


「ところでニーナどうしたの?」

「んーと」


一緒に帰るお誘いなんだけどな。なんて思って従者1号みたら、うっわ…めっちゃ睨んでるし…みたいな。
つか…気付いてよ先輩!上!うーえっ!!!


「何やってんだ」


オレの後ろの高い所からドスの効いた声が降ってきた。最悪…出ました従者2号…桜井兄。


「コウくん!」


先輩がニッコリ笑いかける。
アンタこわくねぇの?もう、お近づきになんて絶対なりたくねぇ。消えろ過去の俺!


「で、何か用?」


何故か先輩と話してたハズの会話は従者1号とするハメに。


「何でもないです」


従者2人に挟まれたオレは結局ビビってウッカリそう答えてた。


「そう?じゃあ行こうぜ」


ニッコリ従者1号に微笑まれ、お姫様は従者1号2号に挟まれ連行態勢。


「え?ちょっと何?ニーナゴメンね!今度ちゃんと話し聞くから!」


振り返りながら謝る先輩を見送ってガックリ肩を落とすオレ。
ガードかてぇ…。近づけけないし!大体どっから沸いてくんだよ!ぜってーあきらめねー!明日!明日また絶対誘ってやる!俄然燃えてきたね!!みてろよ桜井兄弟め!!
中指をたてると、気配に気がついたのか、2人同時に振り返り、親指を下に向け無言の地獄に堕ちろでニヤリと笑って去って行かれたし。
どうすれば近づけんだよ!!
マジぱねぇ…。


END


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