表*部屋 | ナノ


▽ 認められない恋心


「面白かったな、すっごい慌てるんだもん、ねぇ聞いていい?美奈子って妹なの?」

「…恋愛対象になる女だよ」

「やっと認めたね」

「うるっせぇな!」


チョコレートを食べながら、ルカとくだらねぇ話をして、ニコニコしてるルカの目の前で、携帯が鳴り出した
着信画面を見て美奈子の文字に、顔が緩んでいく


「…あ、美奈子なんだ!」

「ワリィかよ!」

「わかりやすいね、コウ」


携帯を持って、通話のボタンを押して、部屋に戻りながら電話越しに、美奈子の声を聞く
『今までずっと好きだったんだよ』とか、たくさんの好きの言葉を聞きながら、今すぐ会いたくなるこの気持ちは、もうきっとずっと止まらねぇ


「今から会いに行くから待ってろ」


嬉しそうな電話越しのお前の声が、気持ちを加速させてく
上着を羽織って、階段を駆け降りて、SRの鍵をとる


「アレ?彼女に会いに?」

「…まぁな」

「行ってらっしゃい、帰って来なくてもいいけど〜?」

「あぁ?テメェたまには飯でも作ってろよ」

「ホットケーキでいいかな?」

「ばぁーか」


扉を開けて、振り返ってルカをみる


「チョコ…食うなよ?」

「わかってるよ」

「マジで食うなよ?」

「しつこいな〜、そんなにチョコ好きだったけ?」


ニヤニヤしながら、ワザとチョコに手を伸ばすルカを睨んだ


「うるせぇな!食ったらぶん殴るからな!」


バタンと乱暴に扉を閉めて、SRにまたがると澄んだ2月の空気が熱くなった顔に心地良かった




END



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