▽ 認められない恋心
「美奈子ってさ、おっきいよね?」
「何がだよ」
ルカは通りすがりの女にニッコリ笑い、暗にチョコの催促しながら、俺の横に並ぶ
「さっきのムニュっての気持ち良かったな」
「テメェ…」
「あれ?何でそんなに怒るの?」
「怒ってねぇよ!」
こんだけ腹立つ理由なんか考えたくもねぇ
ルカが、はぁ、とため息ついてワザとらしく、首を横に振った
「意地っ張りにも程があるよね」
「はぁ?」
「今年は美奈子にチョコ作って貰お、甘くてー、かわいいやつ、お返しは卒業してるから、デートにでも誘っちゃおっかな」
最後…なのか
あんま深く考えてなかった
いつまでもずっと居て当たり前な気がしてた
「誘えば…いいだろ?」
「本当にいいの?俺、手ぇ出しちゃうかもよ?直接おっきい胸みたいし」
「そんな理由で美奈子に手ぇ出すな!」
「いいじゃん、気持ちいい事するだけだし」
コイツ…マジで言ってんのか?
「美奈子は妹みてぇなもんだろ?傷つけんな」
「違うよ、恋愛対象になる女の子だ、邪魔しないでねコウ」
ヒラヒラ手を振りながら、屋上に向かわずに、一人でどっかに歩いて行く、ルカの後ろ姿をみてた
本気か?
ルカが美奈子と、どうにかなったりすんのか?
ぜってぇ嫌だ!
考えねぇ様にしてたんだ
妹だって自分に言い聞かせてたのに、いつの間にか、そんな風に見れなくなってた
側にくれば、自分を保てなくなりそうになる
今更そんな事言えねぇし、ルカに乗っかってりゃ、他の男も寄ってこねぇ様に出来たし、まさかルカが、美奈子をそんな目で見るなんて思ってなかった
だーっ!何で俺はこんなに頭ん中で言い訳してんだよ!
認めりゃいいんだろ?
美奈子を女として見てるって
だけど今更どう態度改めりゃいいんだよ…!
3/7
[ ← | back | → ]