表*部屋 | ナノ

▽ 認められない恋心


迫ってくるバレンタイン
廊下でルカと二人でダラダラしてた


「あ、美奈子だ!」


視線の先には階段で、新名と楽しげに話す美奈子の姿
新名だけは何度阻止してもきやがんだよな

ルカが面白いから、寄って来る奴らを撃退してみようっつーから、それに乗って、悪い虫がつかねぇ様に排除してた

それでも次から次に、美奈子には男が寄って来る
ボケーッとしてて、危なっかしいんだアイツは

いつか危ねぇ目に遭うんじゃないかと心配だ…




「ニーナ最近よく美奈子に纏わり付いてるよね」

「何回追い払ってもめげねぇよな、新名」

「美奈子の事本気で好きなのかな?」

「あんなチャラ男、美奈子には合わねぇよ」

「どんな男ならいいの?」


ルカが興味津々顔で話し掛ける
本心は、正直誰も嫌だとは言えねぇ

それを言ってしまえば、その理由が1番しっくりくる答えがわかってしまう
アイツはぜってぇ妹なんだ…


「チャラ男じゃねぇ奴…」


間の抜けた答えに、笑い出したルカの首を腕で締め上げてると、ルカが手を振り出した


「あー!コウくんまた乱暴してる!」

「そうなのー!美奈子助けてー!」

「あぁ!?」

「もう!コウくん離してあげてよ!」

「うるっせえな!」


美奈子がグイグイ、と俺の腕を引っ張り、ワザとらしく、ぐえっ、と言わんばかりに舌を出したルカを助ける
腕を離すと、そのまま美奈子が、手に絡み付いてきた
何か当たる…


「…美奈子」

「美奈子、俺の手にも絡み付いて?」

「何で?」

「いいから」


俺から離れて、ルカの手にぎゅ、っとしがみついて美奈子がルカを下から覗き込んだ

もしかして…ルカの野郎…


「これでいいの?」

「うん凄い、いい感じ」


ルカが美奈子の頭を撫でると、美奈子が、ニコニコ笑いヘラッ、と笑うルカにすっげぇイラつく


「コウ怒ってんの?」

「はぁ?怒ってねぇよ、行くぞルカ」


離れろとは言えなくて、用もねぇのにルカを連れて移動を促す
はぁ…、もうイヤだ…
屋上でサボってりゃいいだろ


「えー?もうちょっとこのままがいい」

「うるせぇ、早く来い」

「怖いなー、お兄ちゃん」

「2人ともドコ行くの?」


小首を傾げながら、不思議そうな顔をする美奈子に、背を向け答えずに歩いてく


「ゴメンね、美奈子、後でね〜」

「授業始まっちゃうよー?」

「受ける気しねぇよ、んなもん」

「もう!また!」


プゥ、と膨れた顔が妙にかわいく見えて、すぐに目を逸らした
何なんだよ…
掻き乱すな


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