▽ クマった出来事
屋上で美奈子を待つ事30分
授業が始まって、呆れられたかもしんねぇって時に扉が開いた
「コウちゃん!ゴメンね!遅くなって!今日遅刻しちゃったの〜」
座ってる場所まで息を弾ませ走って来て、隣にチョコンと座りいつもみたいに俺を見上げた
やっぱコッチの方が断然いいよな
「…昨日…、悪かったな」
「いいよ!わたしね、メール打った後すぐ寝ちゃってたから、電話あっても気づかなかったよ!」
いつも通りニッコリ笑う美奈子の目は赤い
嘘つくなよ
お前いつもこうやって何でも我慢してんだな
昨日ずっと待ってる姿、隣で見てんだよ
お前が一人で色々悩んでんのも知ってんだよ
もっと何でも俺に言えよ
「美奈子…」
「なぁに?」
ダメだな…
愛おしくて堪らない
美奈子を抱きしめると、腕の中でもがき始めた
どうしようもなくお前が好きで堪らない
「こ、コウちゃん?」
「お前可愛いな」
「な、何?」
いつもはぜってぇ言わねぇセリフに美奈子が、ビックリした顔して、何度もパチパチまばたきさせて、真っ赤になっていく
「目、つぶれ」
「何で?」
「そのままでもいいけどよ」
肩を引き寄せて唇を重ねると、美奈子の体が一瞬硬直して、すぐに力が抜けた
「コウちゃん…」
唇を離すと潤んだ瞳に吸い込まれそうになる
昨日の美奈子を思いだして、一瞬でぶっ飛びそうになる理性を総動員させる
そういやコレもあのクマに報告すんのか?
「お前…いちいちクマにこの事報告すんなよ?」
「な、なんで知ってるの!?」
昨日入ってました何て言えるか!
自分で墓穴掘って苦笑する
「あ〜そんな気がすんだよ、お前ガキだからな」
「ガキじゃないもん!」
「じゃ、ガキじゃねぇ証拠みせてみろよ」
「どうやって?」
「こうやって」
もう一度美奈子にキスして舌を侵入させると、ジタバタと暴れ出した
「ほら、ガキじゃねぇか」
「違うもん、わたしも出来るよ!」
「じゃ、してみろよ」
俺にのしかかって、唇を押し付けられて、一生懸命に舌を入れてくる美奈子が、可愛くて、愛しくてそれに応えて
唇を離すと肩で息をする美奈子が泣きそうになる
「な、なんだよ!?」
「…息…出来ない」
「はぁ!?」
苦しそうに息を吸い込む美奈子に、笑いが込み上げてきて抱き寄せて、ホッペタを撫でる
「まだ苦しいよ」
「鼻で息しろって」
「え?んんっ!」
今まで中々手ぇ出せなくて、手繋ぐので精一杯だった距離が縮まんなら、クマに入ったのも悪かねぇって思えんな
二度と入りたかねぇけどな
何でも知らぬが仏だ
まずは長いキスが出来るようになんねぇとな
俺より充分気遣い出来る、大人なお前に理性の決壊切れんのすぐそこだ
END
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