表*部屋 | ナノ

▽ クマった出来事


戻る方法考えねぇと…
考えながら、締まらねぇシャドウボクシングを続けてみる
動くもんだな…
声は出ねぇな

そんな最中、飯を食い終わった美奈子が戻ってきた

マジィ!動いてんのバレた!

固まった状態で、俺をビックリした顔してみたかと思いきや、満面の笑顔に変わる


「コ、コウイチくんが動いてる〜!すごーい!」


はぁ!?


「ねぇねぇ!いつから動けるの?喋れるの!?」


キラキラした目をして、俺の手…クマの手を握り、ブンブンと振り出す
やめろって!
ちぎれんだろ!?

バシッと手を払い、腕を組んでドサッと座る
美奈子がウルッと目に涙を浮かべる


「コウイチくんに嫌われたぁ〜」


ちげぇ!ちげぇよ!
嫌いな訳ねぇだろうが!
なんだよ!コレ!誰か助けろよ!
ジタジタとあわてふためき、目の前で泣きそうな美奈子を見上げる

クマのままの俺は言葉も発せず、ソッと美奈子の頭をポフポフ、綿の詰まった手で撫でてやる
喋れねぇし、伝える術もねぇ
美奈子に回らない手を回すと、美奈子がニッコリ笑って俺を抱きしめた


「嫌いじゃない?」


ソッぽ向きながら、コクと頭を縦に振る
とんでもねぇ位、情けねぇ状況だな、オイ


「良かった〜!ねぇコウイチくん!どうして動けるようになったの?」


俺が聞きてぇよ!
そのまま抱き抱えられて、ベットに飛び乗った美奈子の上に乗った状態で俺はクマ
拷問か!?

俺が本体だったら、ぜってぇヤッてんぞ!
クマだからこの状態なんだけどよ
少しは感謝しろ!


「まぁいっか!」


いいのかよ!?
お前の脳みそメルヘンか!?


「今日もお話聞いてくれる?」


コレ、俺聞いていいのかよ…


「あのね!あのね!今日ねコウちゃんと、手繋いだんだよ!」


やべぇ…恥ずかしい…


「コウちゃんからやっと繋いでくれたの!次はちゅーかな!?いっつも子供扱いして、ちゅーもしてくれないの!あ、コウちゃんも照れてるのかなぁ…?」


バレてんじゃねぇか!
思わず美奈子の頭をポフ、と叩く
お前にはそんなん早ぇんだよ!


「もう!コウイチくん!なんでブツの〜!」


もう聞きたくねぇよ!
こんなのズリィだろ!
お前一人で何してんだよ!
毎日クマに報告してんのか!?
少しは色気のある事やってみろよ!
…それも…困んな…
手も出せねぇって、そりゃやっぱ拷問だ


「それでね!」


続くのかよ!
もう聞きたくねぇよ!
美奈子のホッペたを、ムニュとクマの手で挟む


「ひゃべれにゃいよ〜」


グイ、と手を掴まれて、手をおろされ、気をつけ状態に美奈子が乗ってきた
この体勢も悪くねぇな…って何馴染んでんだよ!バカか俺は!


「もう!イタズラしないで、いつもみたいに、ちゃんと聞いてよ〜!」


イタズラじゃねぇよ!
中に俺が入ってんだ!
本人なんだぞ!


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