表*部屋 | ナノ

▽ すこしづつ


階段を昇り部屋に戻ってみると、ココに座れとばかりに、ポンポンとソファーを叩く頑張れの意味が居る


ルカの言ってた頑張れってこれかよ
ハァ〜と大きなため息をつく


「もう〜おそ〜い!」


「はいはい」


平静を装って隣に座ると、ギュッと腕に手を絡ませられてドキンと心臓が跳ねる


「あ〜もういちいちくっつな!!」


もたねぇんだよ!!
どうせ何もできねぇんだ!!


「こうしてると落ち着くの」


俺は落ちつかねぇよ!
猫みたいにグリグリと頭を擦り寄せて、ギューッと腕を強く抱きしめられる、何か柔らかい感触が腕に当たる

コイツ…ワザとなのか!?
無意識ならホントに勘弁してくれ!!

どこに置いていいかわからない右手は、情けなくソワソワと背もたれにかけてみたり、
グーにしてみたり
パーにしてみたり
ブラブラと意味のない動きをする


「コウの匂い好き」


そりゃ誘ってんのか?
ちょっと一言注意してやる


「おい…」


頭を寄せ一息ついたのか、大人しくピッタリとくっついている上から声を降らせる


「ん?」


押し付け過ぎて片方だけ髪がクシャッとなってしまった頭をあげ、なぁに?といわんばかりにコッチを見上げる
それが妙に可愛くて、毒気を抜かれつい顔がほころんでしまう
遊んでいた右手で、それをチョイチョイ直してやると
じっとみつめる大きな目、視線を下に移すと、桃色の唇、吸い付けられるようにそっと唇を重ねてみた
ゆっくり離し顔をみると、どんどん真っ赤になっていく


「変な気起こさせんなよ」


慌てて俺から離れると、下を向きながら紅潮した頬っぺたを自分の両手で挟む
意識してくれた嬉しさと、その照れた顔がもっと見たくて、顔を覆っている両手を掴む


「こっちみろよ」



形勢逆転だ



真っ赤になったままオズオズと上を向く
俺はまたゆっくりと唇を重ねる


「…ん」


唇が離れそうになって、思わず頭を引き寄せて、深く口づける


「んん!」


解放された手が俺のシャツをギュッと握る
ヤバい止まらない…
角度を変え、薄く開いた唇に舌を入れると、少しビクリと身体を震わせ、遠慮がちに俺の舌に応えてくる


二人の唇の僅かな隙間でこぼれるクチュ、ピチャと卑猥な音が俺を煽る
緊張していた身体の力が次第に抜けていき、黒目がちな目が熱で潤んでくる
飢えていた欲望が沸き上がってきて、小さな身体を掻き抱き、より深く口腔に侵入する


「ふっ、あっ、んっんぅ」


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