「うわっ!」

「あ、すまん。」


人の顔に水ぶっかけといてすまんの一言はないだろ。勝呂、お前は馬鹿か。


「誰が馬鹿やねん大体にして、お前のが馬鹿やろ」

「あれ、口に出してた?ごっめーん」


わざとらしく謝ったら舌打ちされた。この糞暑いなか世間は夏休みだと言うのに祓魔塾に休みはない。…まぁ塾だし当たり前か、にしたって塾だから冷房効いてんのかと思ったら扇風機すら設置されていない状況だ。だからこうして皆で手分けして打ち水してるんだけど意味ないと思う。そこで批判したらまた勝呂がめんどくさい意見押し付けてくるから大人しくしてるんだけど、…まぁそんな堅物な奴が好きなんだけどなかなか素直になれないわけで悩んでるんですが。


「あー良かったー、このマスカラウォータープルーフで!」

「何やえらい目黒くさせとる思たら化粧しとったんかい」

「可愛いでしょ!惚れた?」

「ブッサイクな面やな」

「…………」

「…………」

「あんたいい加減ぶっ叩くぞ!あたしこれでも一応モテるんですけど!?」

「そんなん知っとるわ」

「…は、…そ、そう。」

素直に認められたら認められたで何か反応に困る。モテるって言っても一応アンタに一途だから告られても断った事しかないんですけど…。そういうの素直に言えない自分に嫌気が差す。自分は今流行りのツンデレなのかと志摩に聞いたら「名前ちゃんはツンデレ言うよりツンドラっぽいで?ちゅうか絶対ツンドラやな!」何だよツンドラってマニアックな言語出されても知らんがな。


「まぁ何ちゅうか…お前は化粧してない方がマシやけどな」

「マシって何よ!普通可愛いって言うでしょ!?」

「はぁ?そんなん嘘でも言うか阿呆、」


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


「………何ですかアレ、」

「子猫さん邪魔したらあきませんよ?面白いんやから」

「面白いって…何であんな顔合わせる度に喧嘩染みた事を言いはるんですかねぇ」

「お互い照れ隠しっちゅうやつやね、」

「あぁ…坊も苗字さんも、志摩さんにどうしたら素直になれるか相談しに来はるんですよね?」

「ほんに似た者同士やなぁ、はよう付き合うたらえぇのに…」

「ほんとですねぇ…」



‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


(あぁもうっ、はやく落ちてよっ!)




お互い恋(自分)に落ちてくれない相手にイライラ。何というスレ違い………ウォータープルーフ便利ですよね。





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