※攻夢主

わたしの彼氏の三輪子猫丸くんは何というか可愛らしい感じの男の子だ。可愛らしいっていっても坊主だし女の子らしい要素は特に無いし、わたしが悪魔に狙われた時だって詠唱して助けてくれた普通に男らしい男の子だ。でも何だか、小さくて気まぐれで寝顔なんかが最高にキュートで例えるならそう、名前の通りに本当に猫のような…猫は猫でも種類は人懐こい三毛猫のようだ(でも三毛猫ってほぼメスしかいないらしい)。
今日は土曜日だから朝から塾で眠たい目を擦りながら扉を開ける。


「あ、おはようございます苗字さん」


「ん…おはよー三輪くん」


三輪くんが笑顔で挨拶をしてきた。いつも通りの席に座っていてその横にわたしは腰を下ろして、二人きりだったから何だかもっとくっつきたくなって三輪くんの顔を覗き込んでみた。(因みにお互い苗字呼びなのはそっちのがしっくりくるから。)驚いたのか小さく揺れる肩が可愛らしい。三輪くんはこの塾生の中で一番背が小さい。確か155cm…だったかな?それに対してわたしは168cm。大体13cm差だ。わたしは特に身長差について気にしてないけど彼はすごく気にしてるみたい。牛乳飲んでも延びないんですよーってこの前話してたのを聞いてからそこまで悩んでるんだなぁってちょっと意外だった。小さいところが可愛いのに…。そんな三輪くんを少し苛めたくなって、耳に息を吹き掛けてみた。

「え?…わっ、」


吃驚した様子で真っ赤になった顔でわたしを見上げる。あぁ、何て可愛いの…!前言撤回、こういう時は女の子みたいで凄く可愛いです。チラッと時計を見て時間を確認する。皆がいつも来る時間までまだまだ余裕はある。更に愛しく思えてくる彼をジッと見つめてわたしはねだってみることにした。


「ねぇ、三輪くん…キスして?」


「えぇっ?何でですかぁ…ここ公共の場ですよ、分かってはります?」


「分かってるから言ってるの、ほら…立って?」


「わざわざ立たせるなんて、苗字さん鬼畜ですよ?」と、少し不機嫌そうに話しながら渋々と立ち上がる三輪くん。彼が立ってからキスを嫌う理由は実際三輪くんが背伸びをしないとわたしの口元まで届かないからだ。それで三輪くんが頑張って小さな足をプルプルと震わせながらわたしの唇に薄く整った唇が押し付けられる感覚が堪らなく好きだ。実際それが見たくて座ってるときもわざわざ立ち上がってキスを要求するんだけどね。わたしって確かに鬼畜かも。後、わたしから屈むっていうのは中々つまらないから絶対にしない。


「ほら、はやく」


「…絶対来年までには背延ばして追い付いてみせますから」


少し悔しそうな表情を浮かべたのが一瞬見えて、ぐっ、と少し力んだ上履きの音がした後に柔らかい唇が押し付けられた。…あぁ、やっぱりこの感覚辞められないなぁ。



(草食男子と肉食女子)




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