04
本編はこれで終わりです。
ここからはおまけになります。
なまえと「名前はどうしよう?」なんて笑い合う、決めてなかったなと思い、なまえに付けてと言ったら「一松さんが付けて」と言ったので、俺がつける事になった。
しばらく考え込む。
名前は一生のものだから、子供たちにとって良い意味合いの名前にしたい。
かと言ってネーミングセンスもない俺。
ずっと悩み込んでいる間、先生や助産師さんは出産の片付けで忙しいらしく、部屋には子供となまえと俺の四人だけになる。
双子たちの名前は同じような感じにしたい。
双子という事が分かる名前にしたいのだ。
二人は一卵性双生児だと言うので、顔も男女で違うは出るだろうが、似るのだろう。
俺たちも、六つ子で全員名前の最後に必ず『松』と言う文字が入っているしで。
ちゃんと意味も込めたい。
それに古風な意味がいいな。
俺が『松』だから。
なまえの旧姓も『梅津』だし。
「うーん……」
「……一松さん、季節はどう? ほら、この子たちの誕生日は秋だよ? 秋を入れない?」
「っそれだ! 秋……秋……」
秋がつく名前。
それでもって男女の名前。
男女って分かるような名前。
それが頭の中を彷徨う。
少し経って、二つの文字が頭に浮かんだ。
「男の子が秋に仁で、あきひと。女の子が秋に穂で、あきほ。……どう?」
頭に思いついたままの言葉を口にすると、なまえはじーっと俺の顔を見つめながら言った。
「っ一松さん、絶対良いよ! この子たちの名前、秋仁と秋穂。カッコよくて可愛いよ!」
「なら、この子たちの名前決まりだな」
「うん!」
「よろしくな、秋仁、秋穂」
「よろしくね、秋仁くん、秋穂ちゃん」
そう言って俺たちは二人を抱きしめた。
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