小説 短編 | ナノ
03
「じゃあプレゼント交換だね!」

「皆プレゼントあるんでしょ? 良かったー、なかったらどうしようかと……」


私たち2人もカバンから隠していたプレゼントを取り出し、膝に置いて座る。

私のプレゼントの包装袋は水色。
なまえ2のプレゼントの包装袋は黄緑色。

……染まっちゃってるなぁ。


なんて思いつつも皆に「それじゃあはじめよう!あ」と言おうとすると、おそ松くんに止められた。


「え、な、なに?」

「プレゼント交換しないの?」


「い、いやー、プレゼント交換自体は良いんだけど……ね? 俺が用意したプレゼント、2人が来ると思ってなくて選んでた奴だから本当変な奴でさ!」

「き、ききき奇遇だなおそ松兄さん!」

「ぼ、僕も!」

「……俺も」

「トッティーと一緒に選んだ!!」

「十四松兄さん、それ言わないでよ!」


なんて必死に言い訳し、冷や汗をかいてばかりの皆に多少の疑問を持ちながら「大丈夫だよ!」と2人して言っても皆は全員断固する。


「……なまえ、どうする?」

「どうもこうも……大丈夫、鼻メガネとか選んでても私たち笑わないからさ!」

「そうそう!」

「いや……俺のはそんな生温いもんじゃないっていうか何ていうかー……」

「俺のも……あはは、あはは」

「買い直したい……!」


そんなに?
とツッコミなるほどプレゼント交換を阻止したいのか、プレゼントを抱え込む六つ子たち。

……なんか可愛い。


「と、取り敢えずプレゼント交換しようよ!」

「そうそう、大丈夫だから!」

「……絶対引かないでくれよ」

「俺のが当たったらそれはそれで……」

「闇松兄さん怖いよ!?」


そして始まるプレゼント交換。

皆で輪を作り、隣同士でどんどんプレゼントを回していくと言うスタイルだ。


「ねーこれどんくらいでストップすんの?」

「もうそろそろ良いんじゃない?」


そう言うおそ松くんとチョロ松くんの会話で、膝に置かれたプレゼントに決定した。

私のはピンク色の包装袋、トド松くんだ。
なまえ2は青でカラ松くん……いいなぁ。
おそ松くんは私の。
カラ松くんは一松くん。
チョロ松くんはおそ松くん。
一松くんは十四松くん。
十四松くんはなまえ2。
トドくんはチョロ松くんのプレゼント。

ずいぶんと偏った結果になった。


「私はおそ松くんのだ!」

「私はカラ松くんのか……なまえ、ごめん」

「う、うるさい!」

「俺はなまえちゃんのか、ごめんねカラ松」

「べ、別にいい! 一松のか……」

「おそ松兄さんのか……一松は?」

「十四松。なに入れたのあいつ……」

「俺はなまえ2ちゃんのだ! チョロ松兄さん、ごめんね!」

「う、うるさい十四松!」

「僕はチョロ松兄さんだ、クソダサい」

「おい!」


皆に行き渡ったそれぞれのプレゼント。

おそ松くんは何をくれたのか、あそこまで言い訳していたから逆に気になる。

それが人間の性と言うものなのだろう。
気になって仕方がない。
早く開けたいと言う気持ちでたくさんだ。

一方なまえ2のプレゼントに目を向ければ、それはカラ松くんの用意したプレゼント。

カラ松Greatと黒字で描かれてあり、その表面はかなりゴールドでピカピカ。
……欲しかったな、カラ松くんの。

なんて嫉妬も見苦しいものだし、おそ松くんからもらったプレゼントも気になるしで開けようとしたその時だった。


「あーだめだめ! まずは2人のプレゼントをみよう! それが良いよな、皆!?」


そのおそ松くんの言葉に、ことごとく皆が乗り「そうだそうだー!」と囃し立てる。

そして私となまえ2のプレゼントを貰ったおそ松くんと、十四松くんが包装を開ける。

ああ、皆の注目が集まってる。
私そんな大層なもの用意した訳じゃないから、今更になって恥ずかしくなってきた!


「俺からね! なまえちゃんからのプレゼントは〜、おお! 手袋だ! しかも革、なまえちゃんカラ松イメージしたでしょ〜?」

「うっ……ず、図星です……」

「なまえ……気持ちだけでも嬉しいぜ!」

「カラ松くん……!」

「はーいバカップルはほっといて、ほら、十四松、次はお前が開ける番!」


抱き合った私たちをおそ松くんがからかった後、十四松くんがシュルルと包装袋のリボンを取る音で皆の注目が集まる。

なまえ2は私と同じように恥ずかしそうにしてて、顔を少し赤くしていた。



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