小説 短編 | ナノ
02
「「……え?」」


目の前には変わり果てた六つ子たち。

赤いサンタ服を着て頭と身体が見事に分かれ、何故か高笑いしているおそ松くん。

それを見て笑ったり頭にノコギリを突き刺し、それを抉っている青いサンタ服のカラ松くん。

緑のサンタ服で、なんとも言えない高い声でクリスマスと言う言葉を連呼するチョロ松くん。

何故かクリスマスツリーの衣装を着て、間◯平のギャグを叫ぶ顔から血が垂れた一松くん。

トナカイの衣装に耳と角をつけ、なんとも言い難いものを吐くグロテスクな十四松くん。

ピンクの可愛らしいサンタ服の色とは反対に首に障子がハマっている血みどろのトド松くん。

私たちは瞬時に目を合わせ、叫びながら戸を閉め今見た事などを頭の中の記憶から消え去れと祈りながら玄関へ全力疾走する。


「ちょっ何あれ!?」

「わ、分かんない、ゾンビ!?」

「待〜て〜」

「ひぃぃ!」

「早く靴! 靴履いて!」


後ろを振り返れば、追ってくる6人のゾンビ。
死に物狂いで逃げても、焦っているせいかなかなか2人とも靴が履けない。


「うがああああ!!!」

「あめまああぁぁ!!」

「あ"〜メリ〜メェリークリスマァス!!」

「ぎゃああ!!」

「来ないで! 来ないでー!」



「いやー、来たんなら来たと言ってくれれば良かったのに!」

「泥棒かと思ってな……すまん」

「あはは、恥ずかしいとこ見られたな」

「……はっ、構わないけどね……」

「メェリーメェリクリスマァス!!」

「十四松兄さん、もう良いんだよー」


……ゾンビ化が戻ったと言うのに、この状況。

私たちは結局とっ捕まえられ、ただいま現在普通のサンタ服に戻った六つ子たちの前に座っている。

赤に青に緑、紫、黄色、ピンク。
それぞれのイメージカラーの色だ。

先ほどのゾンビ衣装は端に寄せられ、暗い室内から一転して明るくなった部屋。

2人でチラチラと目を合わせては苦笑いする。


「取り敢えず……め、メリークリスマス!」

「そうだね、メリークリスマス!」


なまえ2の音頭により、私となまえ2で持ち寄ったシャンパンで乾杯をした。


「カラ松くん、意外とあーいうノリなんだね」

「う……なんだか恥ずかしいな……」

「チョロ松くんも意外だよねー」

「あーもう忘れて!」


「……リア充爆ぜろー」

「俺も彼女ほしー」

「シャンパンうめえ!」

「十四松俺も……」


なんて言ってちゃかす皆。

なんだかんだ言って、このメンバーで集まるのはやっぱり凄く楽しい。

私が小声で「ねぇねぇ」とカラ松くんの耳元で囁くと、カラ松くんは「ん?」と言いながら私の方に耳を傾けてくれる。


「来年もこのメンバーでやる? それとも……ふ、2人きり……とか?」

「……ふ、2人きりがいい!」

「えへへ……」

「ら、来年のクリスマスは2人で過ごそうね」

「うん! 楽しみだなぁ」

「僕も!」


「……彼女くれ」

「来年こそは!」

「らいねーんらいねーん!」

「来世来世……」


わぁ、一松くんなんて卑屈さ。

そんなんじゃ寄る女の子も寄ってこないぞー、とちょっかいを出したくなったが、今にも人を1人殺しそうな目で見てくるため止めた。


「はーい、それでは松野家withなまえちゃん、なまえ2ちゃんクリスマスパーティを始めまーす! 皆、メリークリスマス!」

「「「「メリークリスマス!」」」」

「メリークリスマス……」

「メェリークリスマァス!!」

「いやだからもう良いんだよ!?」


そんなんこんなでプレゼント交換に。

皆プレゼントは持ってきているらしく、皆それぞれの自分のイメージカラーの包装袋だ。

カラ松くんのは色々ゴールドで、ちょっと言い表せないけど……うん、カラ松くんっぽいよ!



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