「 ねぇねぇ孤爪くん 」


「 なに佐伯さん 」


前までは全くと言って良い程話したこと無かったけど、
席替えで隣になってからはちょくちょく話すようになった孤爪くん。ついでに孤爪くんと話してると良く先輩達がクラスに来るのでバレー部の方達とも仲良くさせていただいてる。



「 もうすぐ夏休みだし皆誘って花火しようよ 」

あれ、今ちょっと嫌そうな顔したな。
いきなり誘い過ぎたかな....



「 おれ花火とかした事ない.......」


「 ・・・・・・・!!!えええ!!!! 」
「 そんな事あるの?! 」

「 うん、、そんなに興味がない。」

はたして花火に興味がないとかってあるのか。
よく分からんが、、、、、、


「 じゃぁ決まりね!!! 」

「 うん...とりあえずクロ達誘ってみるよ。 」

「 わーー!ほんと楽しみ! 」
「 "孤爪くんとする花火" 」

「 えっ...... 」


「 どうしたの?とりあえず詳細はまた連絡します! 」
「 いや.....なんでもない....おれも楽しみにしてるね 」







ーーー夏休み前日ーーー


ブーッブブーー・・・

孤爪くんから電話だ

《 もしもし 》

《 あっ...もしもし佐伯さん? クロ達が花火今日しようって 》

《 わっ!!ほんと!?!?いきたいっ!! 》

《 うん、だから20時に〇△× 公園集合で 》

《 了解です、孤爪隊長!!! また後で会いましょう!!! 》

《 それじゃ、 》
おれはいつから隊長だったの、。







ーーーPM20:00ーーー


「 おっ、きたきた!おーーーーい佐伯ーー!」

「 あっ!お疲れ様です、黒尾先輩!! 」
「 孤爪くんもお疲れ様〜〜 」

「 おつかれ...佐伯さん 」

「 あれ?3人だけなんですか?? 」

「 来る人ーーって聞いたけど他の奴らは用事があるってゆうから仕方なく俺が参上してやった 」

「 わざわざ参上ありがとうございます 」

「 クロ..おれ人生初花火 」


「 佐伯さんよう....研磨の花火童貞奪う気分はどうよ 」
「 かなりキュンです 」「 かなり萌えです 」

「 2人とも何言ってんの、引くんだけど....... 」

《 すみません・・・・・!!! 》



「 では!早速!!準備しまーーーす!!! 」





「 きゃーーー!きれーーーーい!! 」
「 俺のトルネードスイング花火受けてみろ!!! 」



佐伯さんはいつもニコニコしてる。
誰とでも仲良く出来るタイプだしこんな俺とも仲良くしてくれるし。こんな子がおれの彼女だったらなって思う時だってある。
でもおれは "恋" をした事が無いから分からないことだらけだ。


「 ・・・花火って目がチカチカする.......。」





「 よし、ラストは線香花火だよな 」
「 線香花火ってなんだか寂しいですよね、静かで 」


「 クロ〜、、喉乾いた。 」
「 !!!!音駒の背骨で脳で心臓の研磨を脱水症状にさせるわけにはいかねぇ!!!!ついでに佐伯の分もコンビニで買ってくるわ!!!研磨と佐伯線香花火やってな!!! 」

「 わっ!すみません、ありがとうございます!!! 」






「 じゃ、孤爪くん線香花火しよー 」

「 うん、 」





「 線香花火ってなんでこんな綺麗なんだろうね 」


「 佐伯さんの方がきれいだよ.」

「 えっ 」


驚くのはおれの方だよ。柄でもない発言してしまった。どうしようこの空気。
なんで、、、考えれば考える程口が止まらない.......

「 花火って佐伯さんみたいだよ、こんなおれとでも仲良くしてくれて、優しくて、いつもニコニコしてるから......」



「 孤爪くん。 」
「 なに 」

「 孤爪くん もしかして私のこと好きなの? 」


「 え 」




「 なーーーーーーーんてねっ、急に褒めちぎるからびっくりしちゃったよ、あっ、線香花火おわっちゃった 」






線香花火を眺める佐伯さんの顔はほんのり赤くて



線香花火を眺める佐伯さんはいつもより綺麗にみえて






佐伯さんを眺めるおれはとても "ドキドキしてて"

( これが "恋" なのか...? )



初めての花火は
"花火よりも君が綺麗だった"










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