君を想う | ナノ
 たまには素股でも

※リクエスト小説 (ifネタ/甘々)





 「あゆ」


 「ゆき」


 「キューブ」


 「ブーケ」


 「啓吾、膝枕して」


 「はいはい、どうぞ」


 そう言うと啓吾は胡坐をかいている自分の足をポンポンと叩き、俺は横になってそこに頭をおいた。


 啓吾と付き合うようになって半年。付き合ってわかったのだが、とにかく啓吾は尽くすタイプだ。


 「あれ、しりとりの続きなんだっけ」


 「えーっと...わからん。まぁ、そろそろ飽きてきてたし、なんか他のことやろうよ、啓吾」


 「うん?あぁ、いいけど、何やる?」


 「うーん...あー、ダメだ。この枕が固すぎて頭が柔軟に働かない」


 「文句垂れんならどけろ」


 「あーっ、この硬さがいいんだよな。柔らかいのなんて俺、枕だって認めないから。このぐらいの硬さがないとな、やっぱり」


 「都合がいい口だな」


 「んむっ、」


 そういうと啓吾は笑い、俺の鼻を軽く摘まんできた。


 「うわっ、どこ摘まんでんだよ!」


 だから、お返しとばかりに服越しに啓吾の乳首をきつくつまめば、啓吾は顔を赤くし女のように手で自分の両胸を覆う。

 その姿が何だか可笑しくて、笑えば啓吾はぼそりと何かを呟いた。


 「なに?聞こえないよ?」


 「....この前、乳首だけでイったくせ――痛った!!」


 「あぁ、ごめん啓吾君、本当よく聞こえなかったわ」


 何やらおかしなことを言い始めた啓吾の脇腹を渾身の力で抓れば啓吾は涙目で悶絶した。

 そして、本当のことなのに、そう言った奴を睨めば、次は何して遊ぼうか、と慌てて話を変えてきた。


 「てか、那智お腹空いてないのか?寝坊して朝、食ってないだろ?」


 「あー、言われてみれば。啓吾、なんか作ってよ」


 「何食いたい?」


 俺の髪をくるくるといじりながら、啓吾はいつものように俺の注文を待つ。

 元々俺自身料理はある程度作ることはできるのだが、啓吾は俺を餌付けしたいらしく、よく料理を作ってくれる。

 最初は包丁さえ握ったこともなかったくせに、今では多分、俺以上に多くの料理を作ることができるくらいには成長している。しかも現在進行形で。



 「んー、とりあえず肉食いたい。俺、食欲旺盛だからさ」


 「肉な...じゃあ、昨日野菜も結構買ってきたから、野菜炒めでも作るか。それだったらすぐにできるし」


 「いいねー、待ってます」


 「それじゃあ、ちょっと作ってくるわ」


 「いってらっしゃーい」


 啓吾の膝を解放してやり、大人しくその背中を見送る。 
 そして扉が閉まった瞬間、俺は動いた。


 「AVでも見てよう」


 上体を起き上がらせ、自分の鞄の中をゴソゴソと漁り、1枚のDVDを出す。
 これは昨日、同じクラスの友人から授かった女教師物のAVだった。
時間は短いが、内容は友人曰く、初っ端から女教師が喘ぎまくりでヤバいらしい。

 啓吾には秘密で持ってきていて、後で1人で見ようと思っていたのだが...


 「暇だし、先に見ててもいいよな」


 啓吾の部屋にあるゲームはやりつくしてしまったし、マンガはすべて制覇した。


 「...と、よし。セット完了、スイッチオン」


 テレビをつけ、音量を大きくすると、俺はいつものように胡坐を掻いてリラックスする。

 
 ―啓吾の部屋にあるテレビの方が俺の部屋のよりも大きくて見ごたえあるんだよな


 ボーっとしながらも、視点はテレビに合わせ、画面を見る。
 場所はやはり学校。そこにはナイスボディな女教師と1人の男子生徒が写っていた。

 状況は女教師が男子高生を逆レイプしているところ。
学生はフェラされて気持ちよさそうに呻き、そしてしばらくして女教師は学生の上に跨り、その屹立を自分の中へと勢いよく挿入した。

 男は特に動かず、女教師がニタニタと笑いながら激しく上下に動く。


 『...ぅ...あっ、せ、先生...っ、やめて、くだ...さ、』


 『うーん?もっと激しくしてほしいの?』


 『んっ!...や、ばっ...ダメっ、先生...せん、せっ、』


 『あっ、あぁっ、最高っ...あっ、あっあっ、はっ...あぁっ、あっ――――』


 「那智!!!」


 「ん?あぁ、啓吾。もう昼飯できたの?随分早いな」


これから本番じゃないか、というところで急に扉が勢いよく開き、はぁはぁと息を乱した啓吾が現れた。


 「そんなすぐにできるわけねぇだろ!お前が大音量で変なの流すから台所まで喘ぎ声が聞こえまくりなんだよ!!」


 「あー、なるほど。それでチンコが勃って、俺にどうにかしてもらおうと部屋に戻ってきたのか」


 「なんでそうなんだよ!俺はそれを止めるために.....って、おい那智!!」


 「あれ、勃ってないじゃん」


 「こら、揉むな...っ、昼飯...っ」


 「ははっ、ちょっと硬くなってきた。啓吾君、えっちー。俺、ちょっとしか触ってないのに。」


 扉に背中を預けて、快感に堪える啓吾。嫌がる素振りをみせるくせに、本気で止めようとはしない。
だから俺は啓吾のそこを遠慮なくズボン越しに緩く擦りあげる。


 「...お前が...触るから、だろ...っ」


 「じゃあ、責任とって抜いてあげようか?」


 重なる視線。熱っぽい目で見つめられ、体の中がゾクゾクとした。



 「...ふっ...ぅ...ん、ぁっ、」


 「...な、ち...すごい、いい...っ、」

 じゅぷじゅぷとなる水音。それは俺が顔を動かし、口で啓吾の昂りに奉仕するたびにいやらしく耳に響いた。

 ベッドに座った啓吾の前で俺は膝立ちになって、啓吾の下半身に顔をうずめる。

 口内は独特な苦みでいっぱいになっていたが、啓吾のものだと思えば嫌な気はしなかった。
 裏筋を舌でなめ、カリの部分を何度も口を窄めて擦る。そして時折、先端を舌で抉り、ちゅっと吸ってやれば、啓吾は気持ちよさそうに小さく呻いた。

 それに俺は満足して何度も何度もその動きを繰り返し、責めたてる。
 さっきかけたAVから聞こえる女の喘ぎ声も全てBGMとして俺の耳の中に流れてくる。
高揚して俺自身もひどく興奮を覚えた。


 「ん...んんっ...ふっ...ぅ、あぁっ!」


 「なち...俺の舐めて、感じた?ここ、勃ってんじゃん」


 「ぅ、あっ...ちょ、待...っ、啓吾っ!」

 急に下半身に甘い疼きが走り、俺は思わず啓吾のモノを口から離した。

 「俺は、いいから...」

 啓吾は硬くなり始めた俺のそこをグニグニと足で踏み、刺激を与えてきた。
 強弱のあるそれに、俺は堪らず啓吾の足に寄りかかる。


 「けい、ご...けいご...っ、」


 「...そんな顔されたら、止まんなくなる、」


 「えっ、うわっ」


 ドン、と肩を強く押され、床に押し倒される俺の体。そして啓吾は俺の上に覆いかぶさると、手早く俺が穿いているズボンを下着ごと膝まで下げてきた。
 そのせいで俺の屹立も外に出され、冷えた空気に包まれる。

 性急染みたその行動に俺は顔が赤くなっていくのがわかった。
そんなになるほど俺に対して啓吾が興奮しているという事実に嬉しくもなった.....しかし、


 「きょ、今日はダメだ...っ、本番はちょっと、」


 「はぁ?なんでだよ...」


 俺の後ろの窄まりに手を伸ばす啓吾の手を掴んで止めれば、啓吾は辛そうに眉をひそめた。



 「だってさ...明日、お前部活の試合あるだろ?俺...ちゃんと応援しに行きたいから....腰痛くて、応援に行けないとか、嫌だし...」


 「...っ、」


 そう言えば、啓吾は一瞬目を見開き、驚いた顔をしそして恥ずかしそうにうつむくと小さく舌打ちした。


 「じゃあ、後ろは使わない。」


 「よかった...って、えっ、何するのさ」


 「いいから太股ちゃんと締めといて」


 啓吾は俺の両足を掴むと太股をくっつけ、俺の方に折り曲げてきた。
と、思っているとすぐに締めつけた太股の間に熱い昂りが無理矢理入り込み、俺の睾丸と裏筋を擦りあげてきた。


 「ぅあっ、あっ...けいごっ、」


 「素股ならいいだろ?」


 啓吾は気持よさそうな顔で息を荒げ、夢中で腰を振ってきた。
 律動が激しくなるにつれて、にちゅにちゅと俺の股から音が鳴り、出たり入ったりする啓吾のモノが見えて、俺は恥ずかしさのあまり目をそらした。


 「なち...なち、なち...っ」


 「...んんっ、ふっ...ぁっ、」


 揺すられるたびに俺自身も徐々に息が上がっていく。
啓吾が太股と一緒に俺の陰茎を擦る上げるたびにもどかしい快感が俺を襲う。...イクには、物足りない快感が。


 「...あっ...んんっ、あっ...はっ、あぁっ、」


 「...はっ...っ、なち...っ、」


 ついには堪らず、啓吾の律動に合わせて自らの手で屹立を自慰をするかのように、激しく上下に擦った。
 
 そんな俺を見て啓吾は笑み、終わりが近いのかより一層激しくさせてきた。


 「んっ、あっ、あっ...あぁっ、んんーーーっ、」


 「くっ...!」


 俺たちはほぼ同時にイった。
俺の顔と胸には2人分の精子が飛び散っていた。


 ―


 ――


 ―――


 「あー、お腹空いた!いただきます」


 俺は箸を持つと、ガツガツと目の前の料理に手をつけていった。
どれもこれも俺の好きな味付けですごくおいしい。


 「啓吾、お前本当いい嫁になれる」


 「...お前のところにだったらいつでも嫁いでやるよ」


 「あははっ、それ最高。一生、俺のためにおいしい料理作ってよ」


 俺がそう言えば啓吾は嬉しそうにはにかんだ。

先程までのエロさも何も感じさせないその顔に、俺はドキリと胸が鳴った。


 ―こういうギャップ感がたまんないんだよな...


 「まぁ、とりあえずは明日の試合頑張れよ、ハニー」


 「そっちこそ熱烈な応援よろしくな、ダーリン」


 そして俺らは見つめ合うと新婚夫婦のように、甘い甘いキスをした。


 end.

 




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