▽ はっぴーばーすでぃ
リクエスト小説(綾西×愛都/ifネタ/恋人設定)
「帰って来ないかぁ、」
一人、ポツンとソファに座る綾西。寂しげな空気。しかし、食卓の上にあるのは、そんな空気とは正反対の豪勢な料理の数々。とっくのとうに冷めきった料理だが、どれも愛都の好物のものばかりだった。
今日は付き合い始めて1年経つ恋人、愛都の誕生日だった。
愛都に喜んでもらいたい一心で、不慣れながらにも作った料理。だが、いつになっても愛都が帰ってくることはなく、時間だけが刻一刻と過ぎ去っていく。
今頃、愛都は恵や和史のところに行っているのだろうか、と考えれば胸がズキズキと痛んだ。
「いいんだ。いいんだ別に...俺が一番じゃなくても」
― そもそも俺が愛都の恋人になれたってだけでも奇跡だしな。
カチカチと動くたびに鳴る秒針。そして一際大きな音でカチリとそれは鳴り...
「過ぎちゃった、」
日付は変わり、時間は12時をまたいだ。
愛都が帰ってくることなく終わった誕生日。それが悲しいなんて思ってしまう自分の女々しさが嫌だった。
一体誰と愛都は誕生日を過ごしたのだろうか。どんな表情をして、何を話して楽しんだのか。
口から出そうになるため息。だが、綾西はそれを飲み込み、立ち上がる。
気分転換に外を歩こうとジャンパーを羽織り、玄関へと向かった。
そして靴を履き扉を開けた時、
「え...まな、と」
ドアの前で立ち尽くす愛都と綾西は向かい合った。
仏頂面でいる目の前の人物は見るからに不機嫌なオーラを醸し出していた。
「お、おかえり愛都....中に、どうぞ」
しかし一向に中に入ろうとしない愛都。
そのため、らちがあかないと、怒られるのを承知で愛都の手を引けば、意外にも愛都はそのまますんなりと中に入って来た。
だが、それから靴を脱ぎ、再び愛都は動きを止め立ち尽くす。
「...どうしたの愛都、具合悪い?」
愛都の手を握り、俯くその顔を覗き込むが、やはり表情は仏頂面のままだった。
「もう遅いし、眠たいよね。寝室まで歩ける?」
「...で...は、」
「ん?」
「なんで、お前は...怒らないんだ」
漸く俯く顔を上げた愛都。
「俺の誕生日...お前は一緒に過ごしたいって言ってただろ。楽しみにしてるって、」
その言葉で綾西はなぜ愛都が不機嫌なのかがわかり、嬉しくて笑みを浮かべそうになってしまう。
「別にいいんだ。だから気にしないで、俺は愛都とそばにいれるだけでいいから」
「...今日、宵人に会いに行ってた。帰り道が渋滞してて帰るのが遅れた。」
「そうだったんだ。大変だったね、あっ、じゃあお腹空いてる?冷めちゃってるけど温めなおせば料理...」
「俺は今日お前と過ごしたかった」
「...愛都、」
「お前がよくても、俺がよくない」
まさか愛都の口からそのような言葉が聞けるとは思わず、綾西は衝動のままに愛都に抱きついてしまった。
「そんなこと愛都に言われたら、嬉しすぎてどうにかなっちゃいそうだよ」
「...そんなこと知るか。いいから離せ。苦しい。」
口ではそう言い、綾西から離れスタスタと居間へと向かう愛都。しかし振り返り際に見えたその顔は真っ赤に染まり上がっていた。
ーー
ーーーーー
−−−−−−−ーー
「はぁ...っ、あ、綾西...んぁ...っ、」
「愛都...好き、大好きだよ...ねぇ、愛都も俺のこと好きでしょ...?俺のこと、」
綾西は愛都の足を抱え直し、張り詰めた熱いものを中へと沈み込ませる。限界まで広げられたそこは、隙間もなくぴっちりと埋められ、それは動く余裕などないように思えるほどだった。
しかし綾西は強引に揺さぶり、中を抉るようにして突き上げる。
「ふっ...ん、ん”...あ、あぁッ、深...」
愛都が感じやすい場所を集中して酷く擦り上げ続ければ、愛都は息も絶え絶えに喘ぎ声を上げた。
「あぁ...っ、あっあっ、あ...イク...イキそ...ぅ、」
「ん...んぁ、俺もイク...」
中を締め付けられながらも、腰を抱え乱暴に掻き乱し、絶頂へとのぼりつめていく。
「やぁ...っ、そこ、触ったら...ぁあ...っ、あっ、あ...ッ、」
脈打つ愛都の欲望を手のひらに包んで、律動に合わせて上下に扱き、ぐりぐりと抉るようにして体液が零れている先端を弄る。
そうすることで、あっという間に高みへと追い詰められた愛都は綾西の手の中に吐精した。
「く...ぅ...っ、あ、」
そして一際強く締め付けられる中、綾西は奥深くまで穿ち、腸壁に熱い欲望を迸らせた。
「あぅ...気持ちい...って、え!愛都!?...気絶、してる?」
ピクリとも動かないその顔は恍惚とした表情をしていた。
「気持ちよすぎてイっちゃった...?」
こんなことは久し振りだ、と気絶している愛都を見て綾西は気持ちを昂らせた。
ーやば、また反応してきた。
「...ごめんね、愛都、もうそこし俺に付き合って...」
そう言うや否や、綾西は気絶している愛都の足を抱え直し、再びゆっくりと中を抉り始めた。
愛都の意識が戻らぬまま続く律動。
「好きだよ、愛都」
綾西の肩の上では愛都の足がゆさゆさと揺れ続けた。
end.
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