(ぶきそぼパロ)


彼女が嘘しか吐かなくなった経緯も理由も俺は十二分に理解していたが、無理にそれを止めるよう強制するのはまた別の話だ。俺を誠二と呼び薄っぺらな微笑みを絶やさず感情の籠らない声で嘘を吐く彼女は確かに以前より俺に好意的にはなったが、だからといって自分から俺の方へ近寄ってくれることはない。あくまで嘘は彼女の言葉だけであって特に弟にするほどべたべたされる事もなかった。特に抵抗もされないけど。波江、と名前を呼んでゆっくりと腕を伸ばして彼女を抱き寄せる。このまま貴方とずっと抱きあっていたいわと言ってすぐ顔を逸らされた。あー全然抱かれたくないみたいまあそれでもこれから抱きますけどね。じゃあお望み通り抱いてあげるよ波江。いや姉さんって言った方がいい?好きだよ姉さん。嫌よ離して。嫌がっても駄目だよ姉さん。どうせそれも嘘だから。空虚を抱える今の彼女はそれを埋めるために神にも悪魔にも縋る今まで出会った子達とまったく、おんなじだった。大丈夫だよ姉さん。俺が助けてあげるよ。そう言って頭を撫でてやれば彼女は目を閉じて、愛してるわ誠二と小さくつぶやいた。それは果たして嘘なのか気になったが、すぐにどうでもよくなり彼女の服の下へ手を這わせた。


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