あいしてる。ねえすきよ。化物が優しく囁いた。押し倒された姿勢のまま俺の右腕や腹や腿をその手に生やした刃物でざくざく刺す。血が少し出るが恐怖を感じない俺は化物に決して侵食されない。しずおあいしてわたしをうけいれて。ぽろぽろ落ちる化物の赤い涙。それはおれの血よりもたくさん流れてきらきら光る。それをひたすら眺めていた。愛を吐き刃を突き立てる化物。腕を伸ばしてその襟元に手をかけても逃げようとしない。しずおだいすき。あいして。ボタンを外してそのふくよかな胸を露わにしてもスカートを捲り上げてもやわらかな体をまさぐっても逃げない。だいすきなのあいしてるの。わたししあわせになりたいのわたしをあいして。ねえ。あいしてよしずお。俺はその眼鏡越しの赤い目だけが少女のままだと知っていてその目が揺れているのを知っていてその涙が嘘じゃないのも知っていて瞳に映った俺を見て少しだけ躊躇ってそして犯した。


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