僕は争いのない平和な世界を作りたい。世界というと大げさすぎるかもしれない。僕はただのちっぽけで非力な高校生だから、そこまで大きなことはできないんだけど。でも夢はでっかく持ったほうがいいってよく言うだろう?自分の大切な人たちが傷ついてほしくないと願う人は大勢いるし、それに僕は、人間はみんなそれぐらいのわがままを言ってもいい権利があると思う。僕は自分の目に見える範囲が、自分の生活している場所が平和だったら、どこで暴力があろうが殺人が起ろうがミサイルが発射しようが、どうでもいい。自分の友人が、好きな人が平和に暮していればそれでいい。みんな僕のそばにいてくれたらそれでいい。それだけで、いいんだ。ねえ園原さん。もしも全部終わったら、きっと僕らの世界は平和になるよ。正臣だって戻ってくるさ。そしたらまた昔みたいに、三人でたくさんお喋りしよう。あいつのつまらないギャグに僕がつっこんで、園原さんが笑って。全部が元通りになるんだ。安心して園原さん、大丈夫だよ、何も心配する必要はないんだよ。ねえ、園原さん。ねえ、どうして泣いてるの?


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