短編 | ナノ

ゆるやかに、なめらかに

おれはゆうちゃんの長い腕をぎゅって抱きしめる。ゆうちゃんは何も言わないで、ゆるやかに歩く。おれも置いていかれないように必死で歩くけど、じゅうはっせんちの身長差というのは案外大きくて、ゆうちゃんの歩幅とおれの歩幅は全然ちがうからたいへんなのだ。あぁでもゆうちゃん最近は、おれのためにわざと歩幅を小さくしてゆっくり歩いてくれているのをおれは知っている。腕だから歩くにはジャマじゃないかもしれないけれど、それでもやっぱり抱きついているから少しは重いかなって思う。けどやっぱりおれはゆうちゃんからはなれたくないから、ゆうちゃんのことしか考えてない頭でうんうんなやんだ末におれはゆうちゃんの手をぎゅってにぎった。ゆうちゃんがやっとこっちを向いた。

「…自分めげへんなぁ」
「えへへ〜」
「まるで熱々のカップルみたいやんなぁ。ま、ええけど」

足を止めるとにぎった手を上に掲げて、ゆうちゃんは少し腰を曲げておれの手の甲にキスをした。わぁお。予期せぬ事態とはきっとこのことで、おれは段々と顔が熱くなっていくのが分かった。


→いつも通りのうちのじろ忍を模索した結果、こんな感じになりました。まだ付き合ってないです(これ何回目だろう…)







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