短編 | ナノ

それでも俺たち繋がっている

「ねぇゆうちゃん、きもちいい?」

おれはとってもきもちがよくて、だからこそゆうちゃんにもそう思ってほしくて。何度も何度もヤるたびに同じこと聞いててごめんね。でも知りたいの。ゆうちゃんにも、おれと同じようにきもちよくなってほしいから。

「…っ、…ん、そ、やね……ええ子ええ子、」
「いや、ほめてほしかったんじゃないんだけど…」

そう言ってもゆうちゃんはおれの頭をなでるのをやめようとはしなかった。とろんとした目に、まだ溶けきっていない理性が見える。多分ぎりぎりのラインだ。何となくそう思う。ゆうちゃんは頑なに、自分の理性を手放そうとしない。…まぁきっとおれが下手だからっていう理由もあるんだろうけどさ。

『セックスしとると何も考えんでええから好きやよ』

そう言われた時、おれはどうすればいいのかまったくわからなくて、おれのことでもないのになぜだかぼろぼろなみだが出てきてゆうちゃんにびっくりされた。ゆうちゃんにとってのせっくすって何なんだろう。もうせっくすのよろこびを知ってしまったおれには、ゆうちゃんのためにせっくすをしないことはもう出来ないから、どうすればいいのか分からない。

赤くなった頬に口付けると、こっちが良いとゆうちゃんが唇におれを誘導する。手馴れているのは知識と経験があるからだろう。ちゅ、と唇同士触れ合ったかと思えば、スキマから入り込んできたゆうちゃんの舌がおれの舌と絡み合う。とろけそうな、おれの理性が消えてしまいそうな大人のキス。(…おれに理性があるかどうかなんて聞かないで。おれが知りたい)(大人のキスっていうのはあとべから聞いた。べろちゅーはむーど?がないんだって)

おれはゆうちゃんよりも全然経験も知識もないから、おれに出来ることはひとつだけ。ゆうちゃんをぎゅってして、ゆうちゃんのえろい顔をしっかりと見つめること。



→お題の没小説。受けの方が余裕があって経験豊富ってどんな感じなんだろう。漢字だったり平仮名だったりするのは書いてる人は漢字使った方が好きなのに白じろは平仮名だったことをたまに思い出すからです。小学生くらいの漢字使ってるイメージだったのに結構難しいことも漢字で書いてある…。







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