短編 | ナノ

はんぶんこ!

「ゆうちゃん何のんでるの?」
「あぁコレ?これはなぁ…」

ゆうちゃんが持っていたのは、見たことのないパッケージのペットボトル。桃の写真が使われているからきっと桃の味がするのだろう、くらいしか分からない。

「ピーチネクターって知らんか?ちょっとどろっとしとるんやけど」
「しらなーい」
「じゃあ飲むか?」
「うんっ!」

はい、と渡されたペットボトルには、半分くらい液体が入っている。美味しいのかな、ゆうちゃんが半分も飲んだんならきっと美味しいよね。
ちょっと傾けて、ぺろり。ん、何かさらっとしてない。これがゆうちゃんの言ってた”ちょっとどろっとしてる”かな?確かに桃の味がする。甘くて美味しい。

「気に入ったんやったら全部飲んでもかまわんよ。また今度あったら買ってくるで」

何だかゆうちゃんにこにこしてる。くぴくぴと飲んでるおれを笑顔で見てる。そんなに見つめられると照れちゃうよ。ゆうちゃんカッコイイんだから。
でも良いのかな、ゆうちゃんのなのに。おれが飲んじゃったらゆうちゃんの分なくなっちゃうよね。そうしたらゆうちゃんは次買って来る時までお預けになるってことだよね。それはなんだか悪い気がするからさ。

「ゆうちゃん、」
「んー?何やの、じろちゃ…」

液体を口に含んで、零さないよう注意しながらゆうちゃんにキス。やや開いてた口に液体を流し込んだ。よし、これなら。

「二人で一緒に飲めるね!」

おれすごーい!!と感動するおれに、ゆうちゃんはぽかんとした顔をして、それからふわりと微笑んだ。「可愛え子やんなぁ」って言いながら。


白じろは天使。この話を書いた理由は丁度その頃見てたCMを見て飲みたかったからですが、探していざ飲んだらそんなにどろっとしてなかったです。







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