きゃっきゃうふふ
彼が膝に頭を乗せないようにと足を組んだのに、彼は至極当たり前のような顔をして俺の膝を枕にした。閉じた瞼に何かしてやろうかと思ったが、どうせやったって起きないだろうと手を出すのを止めた。
「…ようそないな格好で寝られるな、」
「だって侑士の膝だもん」
だいじょーぶだいじょーぶと言いながら俺の腹に顔を埋める慈郎。ついでに俺の腰を抱き締めて離さない。可愛いのは確かだが、それにしたって甘え過ぎな気がしなくもない。まぁ、俺が彼を甘やかし過ぎたのだが。
「ねぇ侑ちゃん」
「何?」
「だーいすきっ!」
ぎゅむっ。俺がこういうのに弱いことを知っててやるから、余計に質が悪い。甘えられると弱い俺は、白旗を振って降参するより他にない。
「…俺も好きやよ、」
「わーい!!俺も俺も!!」
じたばたと足をばたつかせて、喜びを体で示す慈郎。埃出るから止めいと言った所で慈郎が聞くはずもないから、落ち着けという意味を込めてぽんぽんと慈郎の頭を叩いた。