短編 2 | ナノ

甘美なる毒を飲み下す

神様なんて見えないし聞こえないのだから、もしかしたら実在しないのかも知れないわね。なら神様に向かって誓いを立てるのに意味は無いのかも。助けを求めても、神様は自分のところにわざわざ降りてきて助けてくれたりはしないでしょ?助かりたいと思うのなら、自分からその方法を探すべきで、人に頼るべきではないわね。そんなの不毛だわ。偶像崇拝は楽しいけれど、ちゃぁんと一人で戻ってこれなきゃダメよ。
うんたらかんたら述べているけれど、ホントは何が言いたいかというとね、ユウ君。

「神様に誓いを立てるんじゃなくて、アタシに誓いを立てなさいってハナシよ」

助けを求めるのは他の人にしてね。面倒臭いから。アタシはハンターだから、ユウ君だけに構っていられないのよね。分かってるでしょ?付き合いが長いと嫌でも分かるでしょう?
自分だけを愛してくれる、都合のいいヒモ男(外見の話であって彼の金銭の話ではないけれど)にしか見えない関係だけれど。一応アタシ、ユウ君のこと好きよ。何番目かは教えてあげないけどね。

「こ、小春、それって……結婚ん時の誓いの儀式の話やよな、な!!」
「さぁ、どうかしらね?ふふ、」

アタシの一言で頭の中が花で溢れかえっているであろうユウ君は、顔を赤く染めて表情を綻ばせながら「小春と結婚…結婚…vvv」とかまるで不審者みたいにぼそぼそ呟いてて怖い人みたいになっちゃってるけど、まぁ気にしない。ユウ君通常運転だわってくらいにしか思わないし思えなくなっちゃったの。いつものことだからね。気になんかしていられないわ。








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