長編小説 | ナノ


唐突に電話がかかってきたと思ったらこんなこと言われた
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きっかけはこの電話だった。

『もしもし謙也?』
「どうしたんやユウジ?」
『医者志望のお前に、聞きたいことがあるんや。ええか?』
「聞きたいこと?ええよ。俺で良ければ何でも聞いたって!!」
『ありがとな、謙也。ほんなら本題に入るわ。あのな―



男同士のセックスって、どうヤるん?』

瞬時に空気が凍りついた。



***

「…つまり何なん?謙也」
『頼む、俺にはお前しかおらんのや!ホモでセックスしとるのが確実なヤツ!!』
「すごい言い様やな。人にもの頼む態度か?それ」
『すみませんでしたお願いします』
「まぁ、ええけど…。何?俺が大阪行けばええの?交通費払えよ二人分」
『やっぱり一緒に来るんや…』
「当たり前やん。ジロー一人にする訳無いやろ?俺がおらんと何も出来へんのやでこの子」
『それって甘やかし過ぎたんちゃうの』
「だって可愛えやん?」
「ねーねーゆうちゃんさっきから誰と喋ってるの?俺ヒマだよぅ」
「堪忍なじろちゃん。大阪行くことになってん」
「えー!?それってつまり?」
「一緒に行こか」
「うん!!」
『…うん、分かるで。電話越しでいちゃついとるやろ自分ら』
「あ、もしかしてケンヤクン?」
『あ、はい。謙也君です』
「ケンヤクンってドーテーなの?」
『ぶっ』
「じろちゃんあかんて。謙也傷付いてまうわ」
「だって気になったんだもん」
「ならしゃあないわな。で?実際はどうなん?」
『…この悪魔め…』
「ってことはまだ童貞ってことやな。彼女もおらんようやし、謙也君は随分さみしーですねー」
『侑士の阿呆!そこまで言うことないやろ!』(全部図星だったらしい)
「ケンヤクン、セックスの方法知らなかったからゆうちゃんに連絡してきたのかな」
「なるほど〜」(にやにや)
『悪魔や!!電話の向こうに悪魔が二人おる!』
「じゃあ大阪行ったるわ。チェリーボーイの謙也君の為にな」
『ちゃうわ!今回のは俺の為ちゃうねん!同級生がな!』
「ケンヤクン大変だね〜」




 


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テーマ「人外ファンタジー」
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