お題小説 | ナノ


28タイトロープ
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「ちょ、じろ、あかんてこんな場所で…、っあ!」
「…そんなこと言って、ゆうちゃんも案外ノリ気じゃないの?」
「っん、あ、じろちゃ、んんっ、あっ…、」
「…ゆうちゃん、」

制服を着たまま二人、いつ誰が来るかも分からない場所で行為にいそしむ。最初は慈郎は侑士にぎゅっと抱きついていただけだったのに、ふと微笑んだ侑士の顔を見てむらっとしてつい思わず襲ってしまった。ただじゃれているだけだったのが、其処に触れて握って擦ったりしたらもう止まらなくなって。しかも侑士が頑張って息を殺している姿がもっと慈郎を欲情させるから、慈郎の熱はもう誤魔化せなくなってしまった。彼はえろい。声もだけれど息遣いももっとえろいのだ。余計むらむらもする。

慈郎は性の欲望が人より強い。それは、慈郎があまり我慢をしない人間だからというのもあるが、やっぱり一番は彼は底無しの情欲の持ち主だからだろう。一度始まってしまえば、それからが長いのだ。だからこそ人目につくような場所でするのは止めてと言われていたのに、結局慈郎は本能に逆らえずに襲ってしまった。申し訳なく思いはするけれど、やっぱり本能に忠実な男は、すぐに考えるのを止めて行為に没頭する。

「…っ!!あ、ちょ、じろ、や、待っ、」
「ゴムする時間もヨユーも無いから、このまましちゃうね、」

ごめんね、と口にはしなかったが言外にそう告げると、先程までずっと弄っていたそこに自身を押し当てた。長く親しんだその行為は、何度繰り返しても変わらない快楽を作り上げる。びくん、と侑士の身体が震えたけれど、気にせずそのまま侑士の中に自身を突き入れた。一気に挿入されたそれはすでにそそり立っていて、欲情しているのがはっきりと明確に侑士にも知れる。声を押し殺そうと必死な侑士は、自分のネクタイを噛み締めながらぼろぼろと生理的な涙を零した。ぎゅ、と慈郎の肩にしがみついた手は少々痛かったけれど、侑士の痛みに比べたらと思えば全然我慢出来る。本当は侑士の喘ぐ声が聞きたかったけど、今侑士の口から無理矢理ネクタイを奪ったら何をされるか分かったものではないので止めておいた。今更逃げられたってどうしようもないのだ。

「…っ、んんっ!!…ん、んぅ、…っ!!」

くぐもった息も何もかもが慈郎を興奮させる。赤くほてった顔も、自分にしがみつく手も、自身を締め付ける穴も。慈郎は強く侑士を抱き締めると、何度も律動を繰り返して侑士の中に白濁したそれを流し込んだ。慈郎の欲が消えるまで、何度も。そのたびに互いに快楽を感じて、二人果てるまでその行為は続く。



「…慈郎、」
「…ごめんなさーい」
「…はぁ…、一週間位セックス禁止令でも作ったろかな本気で」
「え!?そ、それはダメぇ!!!!」
「…あーでもそないなことしたら一週間後が怖いなぁ。俺きっと腰動かれへんようになりそうやな」
「えっと…うん。そうだねぇ…えへへ〜」
「笑い事やないわ全く…。あーあ、どないしようこれから。替えの制服なんて持ってへんわ」
「ご、ごめんね、あ、あの、あとべにたのむ?」
「自分そればっかやな…ええよ別に。そんなに跡部に色々させたら申し訳ないし」
「うーん、えっとぉ…」
「…ジャージ着るからもうええよ、気にせんでも。慈郎は今度からは気ぃつけてくれるんならそれでええわ」
「…ホント?ゆうちゃんゆるしてくれる?」
「……あぁ、そやな」
「ゆうちゃんありがとう!!だいすきっ!」
「わ、ちょ、抱きつかんといて!!今何か全部ぐちゃぐちゃで気持ち悪い!!」

→前の時よりかはゆるくない、かな?えろ書いてると侑士が弱そうですが別にそんなんではないんですよ!!(無駄に主張)時と場所を考えない慈郎に襲われる率が高いだけです。
相手には常識が足りない。


 


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