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はちみつ色の夢を見る
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ゆうちゃんがおれのこと、「はちみつみたい」って言ったからかな。おれははちみつにどぼんと浸かった夢を見た。お風呂みたいに顔は出てなくて、まるではちみつの瓶の中に落っことされたみたいにはちみつの海の中にいる夢。夢だから目が開けられて呼吸も出来たから苦しくはなかったけど、だからこそ違和感は拭えなかった。夢なんだって分かってるのに、苦しいのも痛いのも何も感じないとすっごく不思議だった。
でもそんなもやもやも長くは持たず、うだうだ悩んでいても一向に夢から覚めないから忘れることにした。夢の中で悩んでてもしょうがないじゃんね。おれは目をぱちぱちした。辺り一面に広がる黄金色がとってもきれいだと思った。どこかから光が当たっているのか、光に反射してきらきら光っていた。

―幻想的な景色はとても美しくて、煌めく世界はとても眩しかった。

覚めたらすべて、失われてしまったのだけれど。



 


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