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49強迫観念
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布団の中に潜り込んで来たかと思ったら、がばっと服の中に顔を突っ込んでべろり。一気に背筋がぞわっとした。いきなり舐めんなやと切れようにも、ここは集団でみんなが眠っている場所なので声が出せない。出したらきっと誰かが起きてしまう。そうなったら色々とまずい。だって周囲にいるのはいつものメンバー達ではないのだ。せめていつものメンバー達―特に跡部か宍戸―だったりしてくれたら良かったのに。一番近くにいるのが浪速のスピードスターとか運が悪すぎる。こいつが起きたら多分全員起きる。喧しくて。
仕方ないから声を押し殺すしかない。口元を自分の手で覆いつつ、空いてる手で未だ人の乳首を舐め回している男を引き剥がそうと力をかけた。全然びくともしないが。

「…っ、じろ、」

掠れた声で名前を呼ぶと、彼はぴくりと反応した。目が合ったのでアイコンタクトで『止めろ』と告げたのだが、彼はにっこり笑っただけだった。嫌な予感がする。

「…大きな声、出しちゃダメ、だよ?」

そう言ってジローは先程まで舐めていた其処を指の腹で撫でた。


***


「…っん、…、…ぁっ、」

声を出してはいけない状況下での行為は、手で口を覆っているからかとても息苦しい気がした。あられもない声を出してしまうのは、ずっと口を開けているからか。あまりその時の声は好きではないので、唇を噛んでやり過ごそうとはするけれど大体その戒めは慈郎が口の中に指を突っ込んで無理矢理抉じ開けるので結局出てしまっている。いつもよりかは声は出ていないものの、いつ周りにばれてしまうかが心配で気が気じゃない。でもやけに興奮している自分もいて、今更戻ることは出来そうにない。

「…ゆうちゃん、」
「ん、じろ…っ」

ぎゅう、と慈郎の背中に手を伸ばして抱き寄せる。出来るだけ早く、欲しい。誰の邪魔も入る前に早く慈郎が欲しくて、口元の手も慈郎の背に回した。律動をするより前に、慈郎が口付ける。手の代わりに口を塞いで、既に解された場所に慈郎のそそり立った其れを捩じ込んだ。




「…で、結局ばれなかったのか?」
「そうやなぁ…何人か変な夢見ただけでどうやら事なきを得たみたいやわ」
「…後始末どうしたんだよ?」
「臭いは窓開けて外に追い出したやろ?精液は…流石にシャワー浴びたで。ジローはそのまま寝おったわ」
「…ふーん…」
「心配してくれたん?」
「いや、別にそんなんじゃ…」
「自分とこは大変やろなぁ」
「うるせぇよ」


→他校も合わせて雑魚寝するような合宿があったかどうかはさておき、どきどきのスリリング体験も良いと思います。本当はここまでえろ書く気はなかったです。本当は。あ、最後のは侑士と宍戸さんです。


 


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