お題小説 | ナノ


メイド服2
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「メイドさんって、ぜったいふくじゅうなんだよね?」

慈郎がそう言って笑った時、忍足は本能的に「あ、これやばい」と気付いたものの、結局過去の自身の発言を覆すことは出来なかったので、つまるところ、現在に至る。

抵抗しないように上に掲げられた手には、どこから拝借してきたかは分からない手錠がかかっている。そしてその手錠は紐でベットの上に固定されているので手を下へ下ろすことは出来ないようになっている。誰だ彼にこんなこと教えたのは。手先が器用だという話は聞いたことはあるが、だからってここまで出来なくても日常生活を営む上では平気なはずなのに。
慈郎は忍足の足の間にちょこんと座っている。「座るから足開いて」と言われたのだ。ロングスカートではなく今回はミニスカートなので、俗に言う『絶対領域』が見える。正直言ってそういうのが好きなのは忍足の方なので、『俺やのうて他の誰かやったらなぁ、』と思わずにはいられなかった。

「…で?慈郎ちゃんは何がしたいの?」
「えっとね、あのね、ゆうちゃんの足をめでようと思って!」
「…は?」

うんざりした口調で尋ねた忍足とは逆に、慈郎はきらきらした目で忍足を見つめながらそんなことを言い出した。愛でるって…どういう意味で?と再度尋ねようとした忍足は、するりと自身の足を撫でられて思わず軽い嬌声を上げた。






ゆうちゃんの弱点を知っている。おれからしたら弱点っていうよりも『ゆうちゃんが一番ハンノーするとこ』なんだけど。
ゆうちゃんは、女の子の足を愛でるのがすきだ。足のすらっとしてキレーな人がすきなんだって。おれはふぅん、って言いながら確かあの時無意識でゆうちゃんの足を撫でたんだっけ。その時ゆうちゃんのカラダがびくん、って反応して、顔がうっすら赤くなったのを覚えている。最初は気のせいっていうかあんまり気にしてなかったんだけど、ゆうちゃんに膝枕してもらった時にふと寝返りをうった時や、わざとゆうちゃんの足に触れたときの反応がすっごくえろかったから、これはつまりゆうちゃんは足フェチで足が一番キモチイイんだなって分かった。すきなものの物覚えと理解は早いので、おれは『ゆうちゃんは足がすき』ってすぐに頭の中に刻み込んだ。

あの時からずっと、やってみたかったことがあったの。でもゆうちゃんはきっとイヤって言うだろうから、どうしよっかなって思ってたんだけどさ。メイドさんはぜったいふくじゅーだからごしゅじんさまの言う事何でもきくんだって聞いたから、これは言わなきゃ損だと思ったわけ。だってゆうちゃんが何でも言う事きいてくれるっていうんだもの。だからおれは言ったの。『ゆうちゃんの足をめでたい』って。意味が分かっていないゆうちゃんの足に触れると、やっぱりキモチイイんだね、えろい声がゆうちゃんの口からもれた。




***


ぐらぐらする。何回射精させれば気が済むのだこの子は。自分が射精しているわけでもないのに。

慈郎は執拗なまでに俺の足を撫でたり揉んだり時には噛み付いたりを繰り返している。そんでもって俺は、その度にいちいち反応して我慢出来んくなって、何度か欲を吐き出した。脱がして、って言うたのに、慈郎が「そのままでもいいじゃない」なんて言って既に勃ち上がってる俺のモノを強く揉むもんだから、俺はその衝撃でくらりとイってしまった。それから先はもう濡れてしまっているから躊躇いも無くなった。黒いレースの下着(女物である)に白い染みが出来るというのは正直どうなのだろう、洗って取れるようなものだろうか。多分無理そうだが。
慈郎は俺が特に反応を示す太股の内側に舌を這わせる。ねっとりとした感触が気持ち良いのか悪いのかはもう分からなくなってしまって、今俺が感じるのはぞくりとした快楽だけである。時折ちくりと痛みがするのは、きっと彼が情痕の跡を残しているからなのだろう。後で見たら恐ろしい事になっていそうで嫌だ。慈郎には際限というものがないから。


それにしても、そろそろ限界だった。彼も近いのではないだろうか。というか近くないと困る。このまま俺だけが気持ち良くなってはい終わり、みたいなことだけは絶対に嫌だった。だって今の俺は、どれだけ快楽の海に沈んでいたって足を愛撫されたって、この服を着ている時点でもう。


「…っ、じろちゃん、」
「ん?なぁに、ゆうちゃん。またイきそう?」
「そうやなくて…いや、間違っとらんのやけど……、」

固定された手は動かせない。だから慈郎は自然と、やや上擦った声を上げた俺に覆い被さるように顔を近付けた。

「…足はもう十分やから、今度は違うとこ愛でたってな、」
「ちがうとこってどこ?」
「…あぁもう、まどろっこしいな自分!」
「ふぇ!?何が?」
「言い方変えるわ、俺はもう十分慈郎に愛でられたから、今度は俺が慈郎を愛でたるわ。慈郎のあっついの、頂戴?」

欲を孕んだ瞳で慈郎を見つめながら甘い声を出すと、慈郎はにっこり笑って自身を取り出した。





 


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