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「待て」ができない
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うん、最初っから分かっとったからええけども。…いや全然良くないわ。自分流石に常識なさすぎるやろ。こんな誰からも見られる場所でサカる奴がおるかい!

「ゆうちゃぁん、せっくすしよーよー」
「あかん。絶対にあかん…って自分ナニ当てとるんや」
「だっておれもうヨクジョーしちゃっていつでもジュンビバンタンだよ!」
「親指立てながら言うことやないやろ!アホか自分は!」
「ねーぇ、ゆーちゃんってばぁ、シよーよー」
「…自分で抜いて来い」
「えーイヤー!!だってゆうちゃんのナカにつっこんだほーがキモチイイのにー!」
「わー!わー!何大声で下ネタ言っとんねん!」
「じゃあ声ちいさくするね」

そう言って慈郎は俺の耳に顔を近付ける。唇が当たるんやないかと思う位に近い。息も当たっとるし。何か嫌な予感がして、背筋にすぅっと冷や汗が伝った。

「ねぇゆうちゃん、シよ?」

囁く声はいつもより低く。ぞく、と一気にカラダが反応した。あかん、またあの子の思うツボやん。教えたのは確かに俺やけど、こないになるなんて誰が予想出来るんや!
…分かっとるよ、ホンマは仕込んだ俺が悪いんやけどな。でも流石にここまで飲み込みが早いと責任転嫁もしたくなるねんで。
俺が返事をせぇへんことで痺れを切らした慈郎が、俺の耳を舌で舐め出した。ちょ、それはあかんって言うたやろーが!地味に服ん中に手とか突っ込んだらあかんて!っああもう、このままじゃホントに公衆の面前で犯されそうやから、仕方なく慈郎の手を引っ掴んで「じゃあ場所変えたらシてもええで」って言ってしもたがな。どうしよ、俺今日日直なんやけど。もちろん慈郎はそんな事などお構いもなしにガンガン攻めるんやろうから、いっそのこと学校サボって俺ん家かラブホにでも行ってしまおうか。あ、でも既にあの子準備万端やったからまずは保健室かトイレかで抜かなまた変なところで襲われるわ。
ちらりと慈郎を見ると嬉しそうに俺の手握り出したし。恋人繋ぎ、俺が教えたらずっとこれになったな。まぁええけど。


(…でもまぁ、俺あの子に「待て」なんて最初から教えてもいないけどな)



 


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