09内緒話9/51
さて、この子は黙っていたらいつ気付くのだろうか。
週末の金曜日に彼がうちに泊まりに来るのはよくあることで、最近はもう当たり前のように帰りの電車に一緒に乗る。慈郎は窓にべったりとくっついて、外の流れる景色を見るのが好きなのだが、学校ではしゃぎ過ぎた時は大体俺の肩に頭を預けて寝てしまう。まぁ膝ではないので、(電車内でそんなことしたら邪魔なので禁止した)普通に小説を読む。いつもの大きないびきが聞こえないので、まだうとうとしているだけなのかも知れない。あの声はうるさいので、比較的静かな車内に響くのだ。
金曜日に彼がうちに泊まりに来る理由は一つだ。どうせ明日も一緒にいるから。平日も一緒にいるのに、それでも休日も一緒にいたいと慈郎が言うものだから、俺は特に断る理由も無いそれを断ったことは一度も無い。彼は外出先にもついて来るから。でも本当は、ずっと一緒にいたいのは俺の方なんだろう。今日だって、言うべき言葉があったはずなのにそれを結局言わないでここまで来てしまった。反省はするにしろ、後悔はあまりしていない。だって慈郎が少しでも長くそばにいてくれるから。
「…堪忍なぁ、じろちゃん。」
―明日ホンマは学校あんねんで。
さて、この台詞はいつ言うべきか。とりあえずは、彼が目覚めた時にそっと。べッドの上ででも言ってやろうか。そうしたらきっと彼は、驚きつつも仕方無いとすべてを諦めるだろうから。
→慈郎が金曜日に泊まる理由は、金曜日の夜にえろいことするからなので、明日学校があって困るのは慈郎じゃなくて忍足の方です。これ書くの忘れてたのでちょっと文章の意味が分からなくなってしまいました。
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