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05不意打ち
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中二。くっつく前。

「ゆうちゃんすきだよ」
「さよか」

コイビトになるためには想いを伝えるべきだって、滝ちゃんが言ってたからさ。毎日毎日ゆうちゃんに、おれのキモチ伝えてるつもりなんだけどなぁ。さらりとかわされてる気がするのはきっと気のせいじゃない。だってゆうちゃんおれの目見てくれないし、ぽんぽんって頭なでてればいいって思ってるんでしょ。むぅ、おれはそんなことでごまかされないんだからね!

「じろちゃんクッキーあるけど食べる?」
「食べるー!!」

ゆうちゃんのポケットから出てきたクッキーに目を奪われて、おれは差し出されたそれを両手で受け取った。見覚えのある包装は、宍戸曰く高い洋菓子屋のものらしい。ほろりと口の中で崩れるクッキーだってことは知ってるけど、味はあんまり変わらないんじゃないかな?っていうか、クッキーってみんな味変わらなくない?おれクッキーすきだから良いけど。

「自分ホンマに菓子好きやなぁ」
「うん!すきだよ!」
「…ふ、さっきと変わらへんな」
「え?なにが?」
「何でもあらへんよ」

クッキーを食べるおれをゆうちゃんはじっと見つめる。ちょっとどきどき。キレイに指までなめて、ありがとー!!ってお礼を言った。うん、おいしかったよ。

「じろちゃん口元に食べかすついとるで」
「え?どこー?」
「ココ、」

そう言って、ゆうちゃんが身を乗り出してくる。あれ?って思った時にはもう遅くて、口元を何かがかすめた。

「…?」
「ごちそうさま、」

にこりとゆうちゃんは何事も無かったかのように笑う。だから何となく、おれもあんまり何か考えたりはしなかった。

→この話、他の小説で書いたネタが若干含まれてます。こっちの方が書いたのは先ですが、向こうを先に読んだ方が意味が分かるかもしれません。


 


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テーマ「人外ファンタジー」
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