お題小説 | ナノ


04おはよう
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目が覚めたらゆうちゃんが隣で眠っていた。

珍しいこともあるんだなって思って、おれは寝ているゆうちゃんに手を伸ばした。キレイな寝顔だった。おれと違って寝息がすごく静かで、聞こうと思わなければ聞こえないくらい小さな音だった。

おれはよく寝る体質だから、いついかなる場所であっても寝てしまうのだけれど。ゆうちゃんは違う。フツーの人は大体違うらしいけど、ゆうちゃんは人の気配のする場所では眠れないって言ってたのを覚えていたから、ゆうちゃんが寝ているのに気付いた時おれはすごくびっくりした。だっておれがいるのに。きっと、寝ているおれを見てたら眠たくなっちゃったんだろうなっていうのは分かるけど。(よく言われるからね、)

「…どんな夢見てるのかなぁ…」

するりといともたやすくゆうちゃんの髪に触ることが出来た。ゆうちゃんは眠ったままである。さらさらでおれの髪の毛とは大違いの髪質も、色も、ゆうちゃんの全部がすきだ。そうゆうちゃんに言ったら、「じゃあじろちゃんは俺のオトンとオカンに感謝せなな」って言われてすごく納得したことがある。じゃあおれは、ゆうちゃんのお母さんもお父さんもすきだよ。だってゆうちゃんを産んで育ててくれたんだもん。だからこそ、今おれとゆうちゃんはめぐり会えたんだもの。カンシャしてもしきれないよ。

「もうちょっとだけ…、」

寝てるゆうちゃんを見てたら眠くなるかなって思ったけど、どっちかというと逆だった。動かないし喋らないけど、こんなに近くでゆうちゃんが見れるんなら、たまには良いかもなぁって思う。起きたらゆうちゃんに何て言おうか、あぁとりあえず決まってるよね。誰だって起きて誰かがいたら、必ず言うこと。



 


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