お題小説 | ナノ


44ねまき
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「ゆうちゃんこれ何ー?」
「ん?あぁこれな、オカンがじろちゃんに似合う思て買って来たんやと。寝間着らしいで」
「ふぅん…、じゃあお風呂入ったら着るー」
「そうしたって」

はい、と渡された綺麗に包装された慈郎へのプレゼントを受け取った侑士は、未だにリボンの解き方を知らない慈郎の為に優しくリボンを解いてやる。中に入っていたのは白い服で、侑士は一瞬でそれが何か理解した。そういえばちょっと前に、母親が「じろちゃんにはこういうのが似合いそうやんねぇ」と言っていたのを思い出す。あれ買ったんかオカン。まぁあの人童顔やし平気やろうけど。
慈郎は侑士にプレゼントを渡した後、お風呂に行ったのでここにはいない。いつも当たり前のように一緒にお風呂に入っているからそろそろ行かないと叫ばれるなぁと思いつつ、柔らかな肌触りのそれを片手に脱衣所へ向かった。


***

「これどうやって着るのー?」
「前にボタンあるやろ?」
「そうじゃなくってさー…ここ足?」
「そうそう、で、ここが手やな」
「はーい」
「ついでにこれもかぶっとき。可愛いで」
「うん。あ、手が出ないよこれ」
「じゃあボタンやっといたるな」
「…ねぇゆうちゃん」
「何や?」
「もしかして、これって…」
「似合っとって可愛えよ、じろちゃん」
「〜〜ゆうちゃんひどい!そんな顔されたら何にも文句言えないよ!」
「あはは」

慈郎が母親にプレゼントされた白い服。肌触りが非常に心地よくて、もこもこでふわふわで、慈郎の手が出ないそれの正体は。

「ねぇじろちゃん、一回だけでええから『メェ』って言って?」
「俺羊じゃないもん!めー!」
「じろちゃんええ子やんなぁ。ご褒美あげようか」
「え、ホント?もらうもらう!!」
「分かりやすいやっちゃなぁ…」

それは、全身真っ白な素材で出来た羊の着ぐるみだった。(恐ろしいほどよう似合うやっちゃなぁ自分)

→慈郎の着ぐるみとかめっちゃ可愛くない?と思って。ちょっとだけ浴衣と悩みましたがこっちで。


 


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