ガチャッ


「はい、もしもし」
『もしもし? 私です、お久しぶり』
「……珍しいですね、貴方がオレに直接かけてくるなんて」
『まぁ、そうね。あはは。ところで聞いたかしら、一人、女の子が旅に出るわ』
「それはまた……。貴方が単体で決めたんですか? 上の許可もとって?」
『あら、私からそんなことしたわけじゃないわ。ダイゴが急にこっちに来るなり、そんなこと言い始めたのよ』
「ホウエン地方の、トップがね……直々に。へぇ、信じられませんが」
『しかも、その女の子はピクニックガールだって言うのよ。それでも、十分素質がある子だから、上に立つべき子だから、ですって。どう思う?』
「……一体どんな女に引っかかったんだか」
『まぁ、そう思うわよね。でも、本当らしいのよ。女の子は、本当に強いらしいの。ダイゴは実際に対峙して、なにかを間違えたのか女の子が出してきたのは100レベルのブラッキーですって。熱い口調で語られちゃったわ』
「100、ですか」
『その後すぐに引っ込めて、30レベルのドンメルが出てきたらしいんだけど。……ふふっ、身の上を理解している子よね、だから本当にこうなるとは思っていなかったのよ。まさか本当に……ピクニックガール風情が……』
「はは、ポケギア壊さないでくださいよ。話は分かりましたよ。要するに、ホウエンのトップが馬鹿な真似をして危ないってことでしょう、それでオレですか。まぁ良いですよ。アイツらはまだしばらく来ないでしょうし。崩壊の危険性もありますしね。何処から旅は始まるんですか?」
『シンオウ地方の、ナギサシティ』
「は?」
『二度も言わせないで、シンオウのナギサシティよ。本当はね、このことはデンジに任せようとしていたのよ? でも驚いたことに、女の子はデンジの幼馴染なんですって。それで、デンジは旅に反対して、バトルで決着つける事になって、あろうことにもシンオウジムの最強の男が負けたのよ!』
「まぁまぁ、そう怒らないでくださいよチャンピオン。オレならそんなヘマはしませんから」
『よろしく頼むわね。それじゃ』



 ブツッ

 ツーツーツーツー



 __『ピクニックガール風情が』


「はは……焦りでも感じたのか? 心配しなくてもチャンピオンは貴方のままだっつーの。

 ピジョット、悪いが直々に頼まれごとだ。シンオウまで飛べるか?」



( What a splenetic woman she is! )( 20120724 )
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