「お父さん…おなかすいたよ」

呟くと、ドッとその場が湧いた。あの冷静で静かな桐山くんでさえ吹き出した。(慌てて取り繕ってるけど私は見逃さなかったよ桐山くん。)

ごほん、とお父さんこと島田さんが咳払いをする。

「シズカ」
「ん?」
「………お父さん、はやめろ。さすがにそこまで年を喰ったつもりは、ない」
「でも、島田さんってお父さんみたいだから」
「あー……ちょっと分かる気がする…」
「桐山!?」

桐山くんが顎に手を充てながら呟いた。


……わたしはなんだか、島田さんの反応が面白くなくて、(だって彼と私の間にはあまりにも厚い年齢の壁があって)(貴方こそ、子供としか思ってないくせに。)

「"島田さん"、ご飯行きましょう」
「え……あ、ああ……」


( お父さんじゃなくて、名前で、 )
( 好きって言ったら、ちゃんと受け止めてくれるの? )

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