彼には悪いが、サーナイトの金縛りで彼の身体を拘束させてもらった。タツベイも含め、サーナイトにテレポートを使ってもらい、私たちはりゅうせいのたきの外へ出た。おくりびやまへ行こうかと考えたが、彼らにとって生まれ育った土地に近い場所の方が安心できるだろうと考えて、人気の無いどうくつの傍の木の下へ深く深く穴を掘った。
 穴を掘っているのを見ながら、ダイゴはぼろぼろと涙を流していた。私は、今はまだ彼を攻撃すべきではないと考え、黙っていた。
 サーナイトに彼らを穴の中へ降ろしてもらい、私はありったけのポロックを投げ込んだ。

 心を通じ合わせたことも無いポケモンが死に、それを埋める__その行為は私の人間の心を痛めつける。しかし、人もポケモンも、いつかは死ぬものであって……ただそれが、幸福な最期を遂げられたか、であって……。彼らのことをいえば、後者は叶えられなかったということ。果たして、最期にどんな気持ちでダイゴを見たのだろう。生に足掻いたのだろう。それでもダイゴは____。

 穴を埋めた後、私たちはしばらく黙っていた。
 私自身、横で俯くこの男を今すぐ刺せ、と言われればすぐに出来てしまいそうだったし、
 彼は、平静を取り戻すために時間が必要だった。

 自分が殺したポケモンが埋められるのを見て、涙を流す矛盾。
 
 珍しく、そこに興味を湧かせるには私にも時間が必要だった。






 私が今暮らしているカイナシティのホテルに着いてから、私はダイゴの金縛りを解いた。
 ウインディが寝転がったので、手持ちを全て出しておいしいみずと、ポロックケースを取り出したのだがポロックは全てあそこに投げ入れてしまったことに気づき、バックへと戻した。代わりにもりのヨウカンといかりまんじゅうを開けてやると、彼らは嬉しそうに鳴く。

「監視カメラはロトムに弄らせたわ」
「……カイナにホテルを?」
「ええ。海が好きなの」

 備え付けのティーパックで二人分のお茶を淹れた。

「落ち着いたかしら」
「……ああ」
「私は、貴方が心から望んであれを行ったとは、思っていない」
「っ、何故だい」
「物事には、全て理由がある」

 それには、少しだけ私の希望的観測も含まれていた。一月以上も関係を持ち、解析した彼の人格像が、全て嘘だったというのは私のプライドが許さなかった。本性ではない。ただ、影を背負っている。時折それを覗かせる。ダイゴとはそういう男だと私は思っている。

「聞かせて。どうしてタツベイたちを殺したの」




( 言い聞かせていたんじゃない )

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