「気持ち悪ぃな…お前は。狂ってやがる」

 安っぽい二人掛けのソファにリヴァイは脚を組んで座っている。私はその下に膝立ちをして、リヴァイの視線を一心に受けとけていった。もっと睨んで欲しいの…ああ。もっと蔑んで。もっと罵倒して。もっと嬲って。私はそれでこそ満たされるの。

「舐めろ」

 顔の前にずい、と出されたのは戦場を闊歩するブーツの爪先だった。底は厚い。そういえばこの前、エレンとかいう少年を思いっきり蹴っていたっけ。あれは羨ましかったなぁ。リヴァイは私を愛してるから、あまり傷つけてくれない。私を罵倒して、睨んで、侮辱するだけ。私は貴方から受けた傷が嬉しくてたまらないのに。
 血も泥も全て啜ってきた黒い皮に舌を這わすと、そこには何もない。潔癖症なリヴァイが、靴に血や泥を残す訳がない。___見た目において。いくら綺麗に流したって、残っているのは確か、なんだけれども。

「はあ…リヴァイ…ねぇ、すき…」
「…チッ。もういい。やめろ」

 この時間はもう終わりかと私は寂しくなる。

 リヴァイは眉間の皺をよりいっそう濃くして、私の後頭部を掴んでそのまま口付けた。荒い舌使いはグチュリと音を立て、一瞬で卑猥な空気がこの部屋に広がる___。
 酸素も意識も、奪われる。

 ねぇ、ねぇこのまま___舌を噛み切ってくださらない?

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