正月ネタ 小話
1月6〜2月1日分
※たまには季節ネタ第三弾 小話。
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1. ”災難” フリオニール
「新年、明けましたねフリオさん」
「そうだな。気がつけばDFFも一周年が過ぎていたし」
「おめでとうございます」
「おめでとう」
「良い年にしましょうね」
「あぁ。早々に連載も終了したしな」
これは厄落としに丁度いいんじゃないのだろうか。
振返りたくないことも多々あるが、思えば昨年はいろいろあった。
良いことも悪いことも踏まえ、それを糧にこれから一年有意義に過ごしたい。
「お餅、食べますか?」
「正月らしくていいな」
「じゃあ、お願いしますね」
そう言い取り出したのは杵と臼。
これは…自分でつけということか?
「ウォーリアさんも楽しみにしてますよ〜」
との言葉に、初日の出の如く神々しく現れたのはウォーリア。
「うむ」
「ウォーリア…」
そんな期待に満ちた目で見ないでくれ。
それにしたって、餅つきなんかひとりで出来るものじゃない。2名は必要だ。
つく気のないコイツに手伝えと言ったって素直に手伝うこともないだろうし。
かといってウォーリアに手伝ってもらうのは気が引ける。
辺りを見回したところで他に誰がいるわけでもなく、目の前には今か今かと待ちわびるふたり。
…仕方がない。
がっくりと肩を落とし杵を持つ。
厄除けできたと思ったのも束の間、新年早々に課せられた重労働に溜息を吐くフリオニールだった。
◇
2.”関心” ジェクト
「お雑煮どうぞ、ジェクトさん」
「…食えんのか?」
差し出されたそれは、見た目は普通だ。
見た目が普通なだけに反って怪しい。
ここはお約束な展開で、味が尋常でないほどにマズイという可能性が大いにある。
「大丈夫ですよ。雲さまに味見してもらいましたし」
もともと料理は得意なんですよ!と小娘が無い胸を張っている。
(雲ねぇ…)
あの化け物に人間さまの味覚が備わっているかは謎だが、得意というのなら無用な心配だったか。
それでも一応おそるおそる口をつけてみる。
「…食える、ってか美味いな……」
「でしょ?だから得意なんですってば」
とケラケラ笑っている。
「んで。これをアイツに持ってくってコトか?」
「もちろんです!ジェクトさんには一応同じ男としての意見を聞きたかっただけなので」
まぁ、これならいいんじゃねぇのかと言えば嬉しそうにしている。
得てして男というものは、口では料理の腕前なんかは気にしないなんていうヤツもいるようだが美味いもんが食えるのならそれにこしたことはない。
それはアイツもそうなんじゃないだろうか。
雑煮なんか食ってるところは想像もつきやしねぇが。
だいたい普段からこういうふうに家庭的にしていればアイツももう少しはこの小娘にまともに対応するんじゃないのかねぇ。
コイツにしてみれば余計な世話か。
「ホラホラ、さっさと行かねぇと冷めちまうぞ〜」
馬鹿な子ほどカワイイとはよくいうが、少しはコイツらも進展できるよう柄にもなく神頼みでもしてやるかと思うジェクトだった。
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