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連載main 小話

11月分
※連載main の小話。
夢主不在。



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1.スコール


あいつはどうも少しおかしいと思う。
なんだって俺なんかに話してくるのか。
気の利いた返事などしてやることもできないのに。
…いや、する必要も無いが。
そもそも人の惚気話など、興味は無い。

”眉間に皺が寄ってますよ”

とか言ってくるが、そういう話をしてくるから余計に皺が寄っていく事態に気がついてもらいたい。
聞いて欲しいのなら、ジタンや(女子の話なら、例え惚気話しでも喜んで聞いてくれるだろう)ティーダ(同い年でもあいつの方が親しみやすくはないのか)。
それこそ、ティナあたりに語って欲しい所だ。
…と、実際あいつに言ってみたが

”でも、スコールさんにお話したいんです”

そう言い、以後も変わらず彼との事を惚気てくる。
人の話を聞きやしない。
そこで俺は心に決めた。
あいつの話は、基本、右から左へと受け流すことを。
そうすれば、精神衛生上とても良い。
しっかり聞いていたから、こう、ストレスが溜まってしまっているのだと思うから。
そんなことを閃いているうちに、淡い光が浮かび上がってきた。
あれは、…あいつだ。
また呼んでもいないというのに現れたということは、惚気にでも来たのだろう。
さぁ、話せるものなら話すがいい。
全力で聞き逃してやる。







2.ウォーリア


スコールと仲が良いとは聞いていたが、まさか惚気話しまで彼にしていたとは。
一体どんなことを話しているのだろうか。
全く想像がつかない。
内容がどうあれ、彼女が嬉々として話している様はなんとか思い浮かべることはできるが。
彼は、それをただ黙って聞いていたりするだけなのだろうか。
あまり自分から喋ることなどしないような感があるのだが、なにかしら手解きなどしているのか?
手解き…?
それは流石にありえないだろう。
いや、しかし最近の彼女の積極性を考えると…。
…あぁ。なぜか心中穏やかではないな。
そんなことは無いと判っているのに。
そんな馬鹿げた思考よりも、素直な彼女のことだから、もしかしたらとんでもないことでも言ってやしないだろうか気に掛かる。
彼女が楽しくあることはとても喜ばしいことだが、なんでもかんでも彼に話してしまっているのなら…。
少し態度を改める必要があるかもしれない。
ひとまず、次に彼女に会う機会ができたら、そのあたりを窺わなければならない。
出自が出自なだけに、 ”人” の常識から少し離れてしまっている彼女のためにも。





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