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そして花が舞い落ちた



一緒に過ごしていると安心するんだ。
可愛らしい笑顔に、無邪気な振る舞い。
俺にとっての癒しだよ、ホント。
なのになんでコイツがカオスなんかにいるかな。

ふたりだけで過ごすひととき。
誰にも内緒で、ふたりだけの秘密の場所。
ずっと永遠に続けばいいなんて、自分勝手な思い。
コイツも同じこと思ってくれてたらとか考えちゃうけど。

「あ、誰か探しているみたい」

そう立ち上がり意識を集中し始めた。

「うん。やっぱり呼ばれてる」
「行くのか?」

ここを離れれば、また敵同士。
そして剣を交える時もあるだろう。

「まだ、いいだろ?」
「ごめんね、ジタン」

悲しそうな面立ちで忽ち姿を消し去った。

彼女の去った後には、その存在がなかったかのように花びらが舞う。
一体なんの悲恋の物語だよっての。

「…まぁ。捕らわれの姫を助けるってのも悪くはねぇよなぁ」

手の平に一片の花びらを収め、そうポツリと呟いた。





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