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そして貴方が恋しくなった


戦う理由を探している。
だから剣を振るう。
その先に意味を見出せるのなら、そうするしか方法はないのだから。

「戦いたいから戦うんじゃないの?」

私はそう、と彼女が紡ぐ。
戦うのは自らの意思ではない。
戦うのは、アンタがこうして向ってくるからだ。

「私を理由にしないでよ」

侮蔑したような溜息と共に、彼女の手が下がった。

「純粋に戦いに夢中になれないんなら、私はあなたと戦う意味がない」

そう去って行ったのはいつだっただろうか。
あれ以来、彼女の姿を見ることはない。

剣を交えるのは仕方のないこと。
それでは彼女は不満だという。
その先に待ち受けているものに恐れを成さずに、ただ夢中に傷つけあう。
彼女の戦う理由は、自分にとって反吐の出るもの。
だが。

彼女の姿を追い求めてしまうのは、なんでだろうか。





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