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明日、あの人が心開いてくれますように


スコールとケンカをしました。
原因はよくわかりません。
というか、あれをケンカと言っていいものなのかも、今思えば疑問ですけど。

なので、ジタンに聞いてみました。
スコールとケンカ?したみたいなんですけど、どうしたらいいものでしょうか。

「あいつが無愛想なのなんていつものことじゃんか」

ほっとけほっとけと苦笑を零されました。
まぁ、無愛想なのは否定できませんけどね。
でもいつもと違うというか。
次に一応バッツにも意見を聞きに行ってみました。

戦闘中こちらも一生懸命戦っているわけですよ。
それなのにスコールときたら、こっちを邪魔者扱いして。
あのくらいの敵なら余裕でしたよ私だって。
なにも無言で睨み付けなくてもいいじゃないですか。
ちょびっと睨まれた目が怖くてビビってしまったのは事実ですけどそれがひどくムカついて、それを察知してかお互いなんだか険悪な雰囲気になってしまって。

いつもならなんてことのないやりとりだというのに、何でか妙に長引いていたたまれません。
やっぱりこっちから謝るべきなんでしょうか、腑に落ちませんけれど。

「あぁ。つーか、あれ。俺も見てたんだけどさ」

おまえ、危なかったんだぜとバッツが言います。
あそこで余計な口出ししてもおまえのことだからそれが気に入らないとスコールと口論になるのは目に見えていた。
それで危機にさらされるよりは簡潔に済まして (目で殺されたことでしょうか) さっさと倒した方が安全だって判断したんじゃないのかと、バッツらしからぬ真面目な口調で諭されてしまいました。

「私、そんなに融通利かない人間じゃないですよ」
「俺にしてみれば、おまえとスコール、どっちもどっちだよ」

なんだかそれってとても微妙なんですけれど。

「まぁ、まだこうやって相談に来るあたり、おまえの方が可愛げあるけど」

でもあいつはそうじゃないだろ、とバッツの手が頭に乗っかってきます。

「スコールもおまえも、もっとお互い心開くの、大事だと思うぞ」

俺みたいにな!と人の頭をポンポンと叩きながらとびきりの笑顔を覗かせたバッツみたいに天真爛漫なカンジは遠慮したいところですけど。
でも、一理ある。

それなら仕方ないから、こっちから心開いて近づいてみようかと、そう思います。
あんな彼だから、あっちからそうしてくることはまず無いと、それだけは断言できますし。

だから、私もほんの少し素直になりますから。
どうか明日、彼の心を開くことができますように。



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