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災難その3



ようやくクラウド一行と合流することができたフリオニールと11。
不運にもポーションを見つけることはできなかったが、誰かしら持っているだろう。
これでお守りから解放されると一息つく。

早速ティーダが11の足元に気がついたようでどうしたのか尋ねてきた。
大雑把に経緯を話している11。
クラウドがそれを聞くなり持ち物からポーションを取り出した。
さすが頼りになる男だ。


「お疲れ様、フリオニール。ふたり旅はどうだった?」

笑顔でセシルが声をかけてきた。
どうもなにも散々だ。
その笑顔が神々しく見える。

「……疲れた」

そう一言漏らすと、セシルが苦笑する。

「彼女、賑やかだしね」

ポーションの効果で足の怪我を回復させた11がティーダと共にはしゃぎまわっている。
相変わらず騒がしいやつだ。
回復した勢いでまた次元の歪みに突っ込んでいかなければいいが。
注意して見ていた方がいいかもしれない。
……なんだか保護者な気分になってきてしまった。

こちらに向ってくるクラウドの後方でティーダにお姫様抱っこしてもらっている11が見えた。
念願のお姫様抱っこか。
してもらえて良かったじゃないか。

「フリオニール」
「すまなかったなクラウド。ちょうどポーション切らしてたんだ」

応急処置道具だけでもあって良かった。
固定すらできなかったら、それこそ長い時間彼女をおぶって移動しなければならなかったんだから。
精神だけでなく、体力まで削られたら堪ったもんじゃない。

「それより合流できたことだし、今日はもう…」
「のばらーーっ!!」

クラウドの声を遮り、ティーダが駆け足に割りこんできた。
のばらってなんだ。
ちゃんと名前で呼んでくれ。
それより何をそんなに興奮しているのか。

「聞いたっすよ!11に髪,洗って」

思わずティーダの口を塞ぐ。
それは拒否したはずだ。
まだやる気でいるのか?
それよりも、なんだってティーダなんかにそんなことを教える必要があるのか。

「髪?」

塞いだ手を振り払われる。

「だって髪洗うっていったらふたりで風呂に入」

再び急いで口を塞ぐ。

「風呂?」

クラウドとセシルが不可解そうな顔でこちらを見ている。
いやしかし、何もやましい事なんてないんだ。
ちゃんと経緯を話せば何てことはない。
とりあえず落ち着こう。
ここで慌ててしまったら、余計に不審がられてしまう。

「いろいろありまして、そのお礼にフリオさんの髪の毛洗うって約束したんですよ〜」

呑気に爆弾発言を抱えて登場する11。
一斉に3人の視線が突き刺さる。

「いやっ、その…誤解だ!」

こちらから頼んだんじゃない!
11が勝手に話を進めているだけで俺は約束なんてしてないんだ!

やっと合流できたにも関わらず、彼の災難はまだ続きそうだ。

-end-

2009/5/2




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